手足口病は、感染し、誰にでもうつるのか?
乳幼児のお子さんがいらっしゃる方なら、ご存知だと思われる「手足口病」。
夏になると、またこの季節がやってきた・・と戦々恐々の思いをしているお母さん方も多いと思います。
また、2013年には大流行を起こし、テレビなどのニュースでも取り上げられたことから、これまで全く聞いたことのなかった方にも手足口病という名前は浸透したのではないでしょうか。
とは言え、手足口病がそもそもどのような病気なのかを詳しく知っているという方は、それほど多くはないと思います。
また、手足口病は子供が罹る病気という認識がありますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
もし大人が罹ってしまったら子供とは違う症状が現れるのでしょうか。
なお、手足口病は、流行の兆しを見せているため注意が必要です。
万が一、お子さんが手足口病になってしまったら・・、または周囲で手足口病に罹っている人が増えてきたら・・、自分はどうすればいいのか。
そこで今回は、手足口病の初期症状や潜伏期間、治療法など、夏本番の今、知りたい情報を調べてみました。
目次
手足口病とは?
手足口病は、5才以下の羅患率が9割という乳幼児がなりやすい感染症です。
保育園や幼稚園、小学校で感染者が出ると集団感染しやすいため、お子さんがいらっしゃる家庭であれば、ご自身のお子さんを始め周囲に「手足口病になったことがある」という方は以外と多いと思います。
また、手足口病は夏に流行しやすいため、ヘルパンギーナ、プール熱と共に「3大夏風邪」と称されることもあります。
しかし、手足口病は夏に限った感染症ではなく秋から冬に掛けて感染する場合もあります。
さらに、手足口病の患者は乳幼児が多いため大人は掛からないと誤解されているようですが、実際には大人も感染する可能性のある病気で、大人が罹ると子供より重症化する傾向にあるので注意が必要です。
手足口病の初期症状や特徴は?
手足口病は、その名の通り「手」と「足」と「口」に主な症状が出現します。
初期症状では37~38度の発熱があり、その後、手の平、足の裏、口の中に発疹や水泡が出現します。
この他、腕や太もも、膝裏などに発疹や水泡が出る場合もあります。
なお、乳幼児期に体に水泡ができる病気と言えば水ぼうそうがすぐに思い浮かびますが、水ぼうそうは全身に症状が現れるのに対して、手足口病は手と足と口だけなので区別がつきやすいと思います。
ただし、乳児の場合は稀にお尻にも水泡ができるので、そうなるとすぐには判断が難しいかも知れません。
実際に手足口病を疑って病院を受診した場合も多くは発疹や水泡の症状を見て判断されますが、確定できない時は血液検査を行います。
また、手足にできる発疹や水泡はそれほど痛みを伴いませんが、口の中にできると痛みが出るため食欲が低下する場合が多いようです。
多くの場合は自然治癒しますが、中には髄膜炎や脳症などの合併症を引き起こす危険がありますので、高熱が続く場合や、ぐったりとして元気がない時は必ず再診を受けるようにしましょう。
手足口病になる原因は?
手足口病になる原因は、コクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71が主と言われ、その他にコクサッキーウイルスA10などが挙げられます。
このため、一度手足口病になったからといっても、以前罹った手足口病と別のウイルスが流行した場合は再び手足口病に罹ってしまう可能性があります。
手足口病の潜伏期間や感染経路は?
手足口病の潜伏期間は、3~5日程度と言われています。
主な感染経路は、次の3つと言われており、
潜伏期間中の感染者のツバや唾液、鼻水を吸い込むことで感染してしまう飛沫感染と、感染者のツバや唾液、鼻水、または手の平の水泡が破けてドアノブやおもちゃなどに付着し、それを触ってしまうことで感染する接触感染に、感染者の排泄物に触れて口に入ってしまう経口感染があります。
保育園や幼稚園で手足口病が集団感染しやすいのは、子供同士の距離が近いことや、衛生観念が未発達なため起こりやすいと考えられています。
また、手足口病は解熱し、発疹や水泡が消えてもウイルスは少しの間体内に残るので、その間も飛沫感染や接触感染、経口感染が起こる可能性があります。
手足口病はうつるの?お風呂はいっしょに入っても大丈夫?
高熱が出ている時や、ぐったりとしている時は無理にお風呂に入れる必要はありませんが、熱もなく元気があるようでしたらお風呂に入れることは構いません。
ただし、その際にせっけんやボディソープなどで体をごしごしと擦ったり熱いお湯に長く浸かると、かゆみが出ますので控えるようにして下さい。
また、子供が手足口病になった時、自分も一緒にお風呂に入ることで感染するのでは?と心配になると思いますが、最も気を付けなければならないのは、お風呂そのものよりもお風呂上がりのタオルの共有と言われています。
子供の体を拭く際に水泡が破れ、そのタオルで自分の体を拭いてしまうと感染の確率が高くなってしまいます。
また、体調があまり優れない時に一緒に入っても感染はしやすくなってしまいますので、お子さんの体調のみならずご自身の体調もしっかり把握することが大切です。
なお、お風呂のお湯からは絶対に感染しないというわけではないので、心配であればその間はシャワーのみにしてしまうのがよいでしょう。
手足口病の治療方法や対処法!
手足口病には有効な治療法がないため、一般的には安静にして自然治癒を待つのみとなっています。
また、手足口病を引き起こすウイルスは胃腸炎の原因にもなるため、嘔吐や下痢がひどく脱水症状が疑われる時は病院を受診し、点滴などの処置を受ける必要があります。
同様に、発熱に伴う脱水にも気を付けるようにしましょう。
手足口病は、通常であれば発疹や水泡は1週間から10日程度で消えてしまいます。
しかし、感染してから2週間程度はツバや唾液、鼻水などにウイルスが残ると言われているので、発疹や水泡が消えてしまってからも注意が必要となります。
家族に感染者がいる場合は、移らないようにうがいや手洗いをマメに行いましょう。
なお、手足口病は保育園や幼稚園の登園禁止には該当しないそうです。
一般的には解熱後一日以上が経過しているか、発疹や水泡が消えると通わせているという方が多いようですが、通っている保育園や幼稚園に確認をするようにしましょう。
手足口病のまとめ
夏は暑い日が続き、寝苦しさから睡眠不足になりがちなことから、疲れやすくなる方が増えます。
大人は比較的、手足口病には感染しづらいと言われていますが、感染してしまうと子供よりも重症化しやすいため、日頃の生活習慣を見直し、体力や免疫力を下げない工夫をすることが大切です。
またお子さんも同様に、寝不足や体力不足にならないように気を付けてあげましょう。