結膜炎の治し方と対処の仕方!
目がかゆい、目が充血している、目にゴロゴロとした異物感がある・・。
これは、「結膜炎」と呼ばれる疾患です。
眼科を受診する患者の中で昔から最も多いことから、ありふれた疾患ゆえについ治療もせずに放置をしてしまいがちですが、結膜炎は悪化すると視力低下をする恐れがあるため、症状に気付いたらできるだけ早く適切な治療を受けることが大切です。
そこで今回は、私達にとって身近な病である「結膜炎」について調べてみました。
結膜炎になってしまう原因や症状、対処や治療の仕方などが掲載されていますので、ご自身は勿論ですが小さなお子さんがいらっしゃるお母さんには特にしっかりと読んで頂いて、結膜炎を予防・悪化させないように気を付けて頂けたらと思います。
目次
結膜炎の原因は?
結膜炎とは、目の結膜部分に腫れや目ヤニなどの炎症症状を引き起こす疾患です。
幼児から高齢者まで年齢に関係なく掛かりやすい疾患であるため、実際に自分も一度が患ったことがある、もしくは周囲に結膜炎になったことがある方がいる場合が多いと思います。
また、結膜炎は大きく分けて3つに分類され、「ウイルス性結膜炎」と「細菌性結膜炎」それと「アレルギー性結膜炎」に分けられます。
結膜炎が発症する原因はこの3つの分類で異なり、ウイルス性結膜炎の場合は主にアデノウイルスやエンテロウイルス70型、細菌性結膜炎ではインフルエンザ菌や黄色ブドウ球菌、アレルギー性結膜炎では花粉やハウスダストなどのアレルゲンが原因となります。
アレルギー性結膜炎の原因と対処や治し方!コンタクトの場合は?
結膜炎の症状は?
結膜炎は、原因によって症状が異なりますが、どの結膜炎にも共通して現れる症状があります。
- 目がかゆい
- 目が充血する
- 目が痛い
- 目ヤニが出る
- 異物感がある
さらに分類別に症状を見てみましょう。
ウイルス性結膜炎
ウイルス性結膜炎は、「流行性角結膜炎」「咽頭結膜炎」「急性出血性結膜炎」に分かれ、流行性角結膜炎は俗に言う「はやり目」と呼ばれるものです。
目ヤニの量が多く朝起きると目ヤニで目が開かないこともあり、症状が悪化するとまぶたの裏の結膜に白い膜ができそれが白目の結膜と癒着したり、耳の前にあるリンパ節が腫れることがあります。
次の咽頭結膜炎は、プールの水を介して感染しやすいことから「プール熱」とも呼ばれ、感染後3~5日程度の潜伏期間を経て突然高熱が続き、喉の痛みと共に結膜炎の症状が現れます。
そして急性出血性結膜炎ですが、エンテロウイルス70型及びコクサッキーウイルスA24変異型に感染することによって発症します。
目の充血や異物感、痛みなどの症状が一週間程度で治まるものの、感染から半年~一年後に手足の麻痺などの症状が出るケースもあります。
細菌性結膜炎
細菌性結膜炎は、ウイルス性結膜炎やアレルギー性結膜炎に比べて発症数は少ないものの、放置しておくと結膜だけではなく角膜にも感染し、最悪視力が低下したまま治らなくなってしまうことがあります。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、花粉などが原因で特定の時期にのみ起こる「季節性アレルギー性結膜炎」と、ハウスダストやペットの毛などが原因の「通年性アレルギー性結膜炎」に分かれます。
アレルゲンの付着による結膜炎が原因ですので、アレルゲンを除去しない限り症状がどんどんと重くなってしまい、まぶたの裏にブツブツができる「巨大乳頭結膜炎」になってしまうケースもあります。
結膜炎の時の対処の仕方!
結膜炎になった時、絶対にしてはいけないのが「目をこすること」です。
目の結膜や角膜それにまぶたの皮膚などは、思っている以上に弱いためほんの少しこすったつもりでも、かなりのダメージを与えてしまいます。
そのため、目がかゆい・充血している・痛いなどの症状が現れた時は、それらを和らげるために冷やすのが有効と言われています。
とは言え、冷やしすぎも目に刺激を与えてしまうので注意が必要ですし、タオルを濡らして冷やす場合は清潔なタオルを使うことも大切です。
同時に、コンタクトレンズを使用している方は、使用を控えるようにしましょう。
コンタクトレンズには汚れが付きやすいので、結膜炎が悪化してしまう可能性があります。
また、家族に結膜炎になった人がいる場合は、タオルの共有を控え、湯船にも一緒に浸からないようにしましょう。
女性の場合は結膜炎になったらアイメイクを止めて、目の周りをなるべく清潔に保つようにしましょう。
結膜炎の治し方や治療の仕方!
ウイルス性結膜炎の場合は、ウイルスを死滅させる薬というのがありませんので(これは結膜炎に限らず、あらゆるウイルスが原因の病気でも同じことです)、免疫力を高め自然に治癒するのを待つしかありません。
とは言え、他の細菌などへの感染を防ぐため抗菌薬や、炎症を抑えるための点眼薬が処方される場合もあります。
細菌性結膜炎では、抗菌薬を用いて菌を死滅させます。
アレルギー性結膜炎では、抗アレルギー点眼薬を使用して治療しますが、抗アレルギー点眼薬でも症状が治まらない時はステロイド点眼薬を使用します。
結膜炎はうつるの?
結膜炎は、アレルゲンが発症の原因であるアレルギー性結膜炎を除いて、ウイルス性結膜炎・細菌性結膜炎の両方が人に感染する恐れがあります。
特に、ウイルス性結膜炎は感染力が非常に強いため、「流行性角結膜炎」「咽頭結膜炎」「急性出血性結膜炎」の全てが幼稚園や小学校の出席停止扱いとなっています。
これは、学校保険安全法という法律において学校感染症に指定されているからであり、「流行性角結膜炎」と「急性出血性結膜炎」は医師から感染の可能性がなくなり出席をしてもよいと言われるまで、「咽頭結膜炎」は解熱後2日間は出席停止が義務づけられています。
また、細菌性結膜炎は有効な治療法が確立されているため、抗生物質の入った点眼薬を使用すると1~2日で症状が改善するので、出席停止扱いにはなっていないようですが、症状の程度によっては感染を避けるために休ませるなどの対処をした方がよいでしょう。
結膜炎と急性結膜炎の違いは?
結膜炎と急性結膜炎の違いは、症状の進行度合いにあると考えてよいでしょう。
目がかゆい、充血する、異物感などの結膜炎の症状が出てから、それらの症状が悪化するまでにそれほど時間を要さないのが急性結膜炎で、上記の症状が比較的軽度であり、数週間から場合にとっては年単位で症状が続く場合を慢性結膜炎と言います。
また、慢性結膜炎だと思っていたら、実は他の目の病気だったというケースもありますので、症状が長引く場合は必ず眼科を受診するようにして下さい。
結膜炎のまとめ
結膜炎は、誰もが一度は掛かったことのある疾患かも知れません。
軽度の場合はそのまま自然治癒してしまうこともあるようですが、知らないうちに他の人へうつしてしまうかも知れないことを考えたら、早めに眼科へ行ってしっかりと治療してもらうのがよいでしょう。