アスペルガー症候群の原因やチェック方法!
昔から、「変わっている子」や「自分勝手な子」と言われる子供は、クラスや学年に1人はいました。
しかし最近は、その変わっている部分や自分勝手な振る舞いが性格によるものではなく、「アスペルガー症候群」という疾患ではないかと言われています。
勿論、必ずしもそのような特徴を持つ子供全てがアスペルガー症候群である、というわけではありませんが、性格であれば人から注意を受けること変わることも多いですが、アスペルガー症候群の場合は性格を変えるように簡単にはいきません。
このため、アスペルガー症候群と疑われるお子さんを育てている親御さんは、大変な思いをしています。育児の仕方が悪い、しつけがなっていないと心のない中傷を受ける方もいらっしゃるようです。
また一方で、本人も子供の時から何となく自分が他の人とは違うと認識しているケースも多く、そのために仲間外れにされたりいつも孤立していたりと、生きづらさを感じながら毎日を過ごしている場合もあるようです。
「うちの子、なんだか変わっているかも・・」
「どうして自分にはなかなか友達ができないのかな・・」
もし、そのように悩んでいるのであれば、それはアスペルガー症候群の可能性があるかも知れません。
では、アスペルガー症候群とは一体どのようなものなのでしょうか。
そこで今回は、アスペルガー症候群について調べてみました。
目次
アスペルガー症候群とは?
「アスペルガー症候群」とは、広凡性発達障害の一つに分類されており、自閉症と極めて類似性の高い疾患と位置付けられています。
アスペルガーという名前は、1944年にオーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーが発表した論文に基づいてつけられました。
その後の1981年に、イギリスの児童精神科医ローナ・ウィングが、自閉症によく似た障害を持っていながらも、言葉によるコミュニケーションが可能であるなどして自閉症と診断されていない子供の一部に、アスペルガーの論文によく似た症状が見えたことから、「アスペルガー症候群」として自閉症と同様にサポートをしていく必要があると唱えたのです。
そして、これを切っ掛けに「アスペルガー症候群」は世界各国で認知されるようになり、世界保健機構やアメリカの精神医学会でもアスペルガー症候群の概念を元にした「アスペルガー性障害」が採用されています。
しかし一方で、上記のような経緯を辿ったことから、「アスペルガー症候群」と「アスペルガー性障害」では少々定義が異なるといった事態が生まれてしまいました。
このため、どちらのアスペルガーの定義を元に疾患を捉えるかによって多少の誤差が生じ、一方の医者からは「アスペルガー症候群」と診断されたのに、もう一方からはアスペルガー症候群の定義からは外れるとして「自閉症」と診断される場合があります。
アスペルガー症候群の症状や特徴は?
アスペルガー症候群の症状や特徴は、自閉症のものと類似しており、大きく分けて以下の3つとなっています。
人の気持ちやその場の空気を読むことができない
太っている人に「太っていますね」など傷付けてしまう言葉を平気で投げ掛けてしまい、対人関係に問題が生じるケースが多い。
他人と交わって遊ぶことができない
集団で遊ぶことが苦手で、一人で遊ぶのを好む。または、年上にリードされるか年下と幼い遊びをするなどはできるが、同年代と年相応の遊びをするのが難しい。
興味やこだわりが強い
誰しも自分にとって興味のある物やことには関心が高く、そうではない物については無関心です。しかし、アスペルガー症候群の方はこの度合が強いと言えます。
アスペルガー症候群になる原因は?
アスペルガー症候群になる原因は、現段階ではまだ解明されていません。
このため、親の育て方の問題として捉えられていたこともありましたが、近年になって自閉症及びアスペルガー症候群などの広凡性発達障害は、脳の機能障害ではないかと考えられ始めています。
現在においては、この説が最も有力視されており、日本でもこの観点から研究が進められています。
しかし、脳のどの部分に障害が起きているのかまではまだわかっておらず、脳幹障害説、小脳障害説、前頭前野障害説など国内外の研究者によっても見解が分かれています。
また、アスペルガー症候群の発症原因として、遺伝的な要素も関係しているのではと言われています。
両親がアスペルガー症候群である場合、子供もアスペルガー症候群を発症するケースがあることからこう言われているのですが、これが遺伝によるものなのか、育つ環境によるものなのかはまだわかっていません。
アスペルガー症候群の自己チェック方法
最近は、大人になってから「自分はもしかしたらアスペルガー症候群なのかも知れない」と思い悩む人が増えています。
子供の頃から他人とのコミュニケーションが取れず生きづらさを感じていた人ほど、このように思う傾向が強いようです。
また、小さい時からずっと自己中心的や我儘な性格と解釈されることが多かった自分が、実は「アスペルガー症候群」だと診断されたことで心のモヤが晴れたという方もいらっしゃいます。
あなた自身が、自分は周りの人と何か違うと感じるのなら、アスペルガー症候群かどうかの自己チェックをしてみてはいかがでしょうか。
もし、セルフチェックにてアスペルガー症候群の疑いがありと出たら、然るべき治療や対処法を身につけることで、今抱えている生きづらさは解消されるかも知れません。
アスペルガー症候群の診断テストができるサイトは?
ここでは、アスペルガー症候群の診断テストができるサイトを2つほどご紹介します。
あくまでも簡易診断であるため、質問に該当する数が多いからと言って、必ずしもアスペルガー症候群であるとは限りませんので、参考程度にお考え下さい。
メンタルヘルス
全50問(所要時間5分程度)に答えることによって、アスペルガー症候群の傾向をチェックすることができます。無料診断となっていますので、お金は掛かりません。
URL:https://atmentalhealth.jp/asperger/
YahooJAPANヘルスケア
13の質問に答えるだけで、アスペルガー症候群のチェックが可能となっています。
URL:https://medical.yahoo.co.jp/selfcheck/74/
アスペルガー症候群は、病院は何科にいけばいいの?どういう診察があるの?
アスペルガー症候群が疑われるのが子供の場合は、地域の発達支援センターや市役所、保健センターに連絡をしましょう。
その上で、アスペルガー症候群及びその疑いと言われたら、療育施設や小児神経科、児童精神科を紹介してもらえると思います。
また、大人になってからアスペルガー症候群を疑った場合は精神科を受診しますが、発達障害に詳しくない精神科医に診てもらうと、アスペルガー症候群の特徴をうつ病やその他の精神疾患と誤って診断されるケースがありますので、注意して下さい。
アスペルガー症候群のまとめ
アスペルガー症候群は、幼稚園や保育園などの集団生活を行うまで、発見が難しいと言われている疾患です。
しかし、早い時点でアスペルガー症候群と診断され、適切な教育やサポートを行うことで、本人が感じる生きづらさを少なくしてあげることができるそうです。
おかしいな?と思ったら、発達支援センターや市役所に相談をすることが大切です。