喉の違和感の原因はストレス?病気の可能性はないの?
風邪を引いたわけでもないのに、喉が痛い、何かが引っ掛っているような違和感がある。
このような症状に、思い当たるフシがあるという方は多いのではないでしょうか。
喉に違和感があると食事をするたびに気になりますし、飲みこんだ時詰まってしまったらどうしよう・・と心配にもなりますよね。
何より、喉の違和感というのは風邪以外にあまり起こらない気がするため「重い病気だったら・・」と考えてしまいがち。
そのため、気が滅入って食事が喉を通らなくなってしまう方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、喉の違和感について調べてみました。
喉の違和感の原因や、喉の違和感が症状として現れる病気、解消法などについてご紹介していますので、「最近何だか喉が気になる・・」という方は是非一度、ご覧になって頂ければと思います。
目次
喉の違和感の症状は?
喉の違和感と一口に言っても、その症状は多岐に渡ります。
では、喉の違和感の症状には、一体どのようなものがあるのでしょうか。
・喉が痛い
・喉がイガイガする
・喉がかゆい
・喉の奥が熱い感じがする
・喉に虫がいるように、むずかゆく感じることがある
・食べ物が飲みこみづらい
・圧迫感がある
・喉に何かが引っ掛っている気がする
・痰が絡んで気持ち悪い
・異物感がある
・声が枯れる
・喉が詰まっているから、息苦しさを感じる
・息が吸いにくい
喉の奥の違和感の原因は?ストレスも関係するの?
喉の奥が詰まっているような、腫れているような違和感がある時は、ヒステリー球が原因かも知れません。
ヒステリー球とは、正式名称を「咽喉頭食道異常感症」と言い、喉の違和感を訴えて病院を受診し、内視鏡などの検査を行っても、特にどこにも異常が見られない時に付けられる診断名です。
ヒステリー球の原因は、ストレスと言われています。
ストレスによって自律神経が乱れ、交感神経が優位な状況が続くと、喉を狭窄(絞める)する神経が誤作動してしまい、喉のつかえや違和感を生じさせます。
また、実際に喉が狭窄することで粘膜同士が擦れ合うことから、それを異物と感じてしまうこともあるようです。
ヒステリー球の発症は30~50代の女性に多く、更年期障害と関係があるとも言われています。
さらに、食事をした時に喉の引っ掛りが起こったことが引き金となって、喉に意識を集中してしまうあまりに、本当は何もないにも関わらず喉のつかえや詰りを感じてしまう方が多いようです。
痛みを伴う喉の違和感の原因は?
喉に痛みを伴う違和感がある場合は、たばこやアルコール、香辛料などの刺激物や、極端に熱い食べ物や飲み物が原因となって、粘膜に炎症が起こっていることが考えられます。
また、ストレスによって胃酸過多になり、胃酸が逆流して食道の方にまで流れ込んでしまう逆流性食道炎を発症している時も、上がってきた胃酸によって喉の粘膜が傷付いて痛みを伴う違和感を引き起こすことがあります。
風邪による喉の炎症の場合は、鼻水や咳といった風邪の諸症状が治まると同時に、喉の痛みも消滅してしまいますが、刺激物の摂取の習慣がある方や逆流性食道炎の場合は、症状が治まることなく長く続いてしまいます。
飲み込む時の喉の違和感の原因は?
食べ物や唾液を飲みこむ時に、引っ掛るような違和感がある時は甲状腺の異常が考えられます。
甲状腺は喉仏の下あたりにあり、ホルモンを分泌する臓器で、蝶が羽根を広げたような形をしています。
この甲状腺が腫れたり、一部にしこりができると、食べ物や飲み物を飲みこむ時に引っ掛りといった違和感があることがあります。
なお、甲状腺の腫れやしこりが現れる病気には、橋本病やバセドウ病、亜急性甲状腺炎、甲状腺ガンなどがあります。
痰が絡む喉の違和感の原因は?
痰が絡む喉の違和感がある場合は、咽頭炎が疑われます。
咽頭炎とは、鼻の奥や喉に炎症が起こるもので、ウイルスによる感染が主な原因です。
鼻や喉といった気道に炎症が起こると痰が出やすくなり、その痰が奥へ落ち込むことで違和感へと繋がります。
また、風邪を引いた後に色のついた鼻水が出る時は、副鼻腔炎を発症している可能性があります。
副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起こって膿が溜まる疾患で、膿が喉に落ちると痰が絡んだ咳が出たり、痰が喉に引っ掛って違和感をもたらすことがあります。
咳などで息苦しいと感じる喉の違和感の原因は?
咳が出て息苦しさを伴う喉の違和感がある場合は、アレルギーの可能性が疑われます。
アレルギーを引き起こす原因として考えられるのは、花粉やハウスダスト、犬、猫ですが、これらのアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)を口や鼻から吸い込むことで、粘膜に付着して炎症を起こし、鼻水やくしゃみ、咳などの症状を引き起こします。
アレルギーの場合は、痰の絡まない咳が出ることが多いのですが、何度も咳をすることで喉の粘膜が刺激されて粘膜が塞がり、息苦しさを感じることがあります。
また、アレルギーやストレスが原因で、空気の通り道である気管支が炎症を起こす気管支炎や気管支喘息を発症している時も、咳や息苦しさ、喉の違和感といった症状が現れることがあります。
これらの病気は、自力で何とかしようとしても症状の改善がなかなか見込めないことから、ひどくなる前に早めに病院へ行って適切な治療を受けるようにして下さい。
喉に違和感がある場合、考えられる病気は?
喉に違和感がある場合、上記で挙げた病気の他にも、以下のようなものが考えられます。
・扁桃炎
・扁桃肥大
・咽頭ガン
・声帯ガン
・声帯ポリープ
・声帯結節
・ギランバレー症候群
・脳梗塞
・糖尿病
喉の違和感というと、喉に関わる病気が浮かびますが、実は直接は喉には関係がない脳梗塞や糖尿病も、喉の違和感が症状として現れる場合があります。
脳梗塞では、食べた物を飲みこむ働きが低下する(嚥下障害)ことがあり、喉の違和感だけではなく誤嚥によって肺に食べ物が入ってしまう誤嚥性肺炎を引き起こす恐れがあります。
また、糖尿病は初期には症状が出にくい病気と言われていますが、悪化すると嚥下障害を始め、味覚障害や声のかすれなど喉に関する様々な症状が現れると言われています。
さらに、あまり聞き慣れない病名であるギランバレー症候群は、風邪や下痢、ウイルス感染などが原因となり発症する病で、下半身に力が入らない、しびれるといった症状が現れるものです。
症状が進行すると食べ物を上手く飲みこめない、声が枯れるといった喉の違和感が出始め、最悪、呼吸困難に陥ってしまうため、足に力が入らないなどの症状が現れた時は、すみやかに病院へ行くようにして下さい。
喉の違和感やイガイガを治す対処法や解消法!
喉のイガイガの主な原因は、乾燥によるもの。
そのため、喉を乾燥させないようにすることは予防に役立ちます。
具体的な方法としては、加湿器を使って湿度を一定に保つことや、マスクの着用を習慣にするのもよいでしょう。
また、口呼吸が癖になっている人は、喉が乾燥しやすくなるため、鼻で呼吸するように意識を向けることも大切です。
さらに、喉のイガイガは乾燥だけではなく、刺激物の摂取による喉の粘膜の炎症によって起こるため、たばこやアルコール、辛い食べ物などは控えるようにしましょう。
なお、緑茶やコーヒーなどの嗜好品飲料も、含まれているカフェインは喉を刺激する作用があるため、喉に違和感がある時は同様に控えた方がよいでしょう。
ヒステリー球と食道がんとの違い
ヒステリー球と食道ガンは、喉が詰まった感覚や圧迫感など、症状が似ています。
そのため、喉に物が詰まったような感じがする程度だからと、自己判断で病院の受診を遅らせると、思わぬ事態に見舞われる場合もあります。
ヒステリー球の診断は、喉の詰りや違和感を起こす、様々な病気の可能性を排除した結果の上に行われるものですので、軽く考えることなく、病院でしっかりと検査を受けることが大切になります。
その上で、ヒステリー球と食道ガンの違いを挙げるとしたら、ヒステリー球は食事の有無に関わらず喉の閉塞感や詰まりを感じますが、食道ガンの場合は食事をして食べ物や飲み物が喉を通った時にだけ詰りを感じます。
これは、腫瘍が大きくなって食べ物の通り道を塞いでいるからで、「飲み物を飲む時は何ともないけれど、ご飯を食べると必ず詰まった感じがする」「これくらいの量は詰らないけれど、もう少し多めに入れると詰る」のように、毎回同じ症状が起こる時は病院で検査するようにしましょう。
逆流性食道炎との違い
逆流性食道炎とは、本来は胃の中にあるはずの胃酸が、ストレスなどの理由で逆流し、食道に流れてしまうものです。
食道は胃と違い粘膜が強くできていないため、強い酸である胃酸によって炎症や潰瘍などを引き起こします。
逆流性食道炎の症状には、喉の異物感や違和感がありますが、特に顕著な症状としては胸やけやゲップとなっており、喉の違和感だけでは治まらないケースが殆どです。
そのため、喉の違和感だけでは判断がつきにくいですが、加えて胸やけやゲップの症状が現れたら、その症状の原因が逆流性食道炎にあると考えてもよいでしょう。
なお、逆流性食道炎は、毎日の生活を見直すことである程度は、症状の改善を図ることができます。
脂質の多い食べ物を避け、早食いや食べ過ぎを止める、食後すぐに横にならない、就寝時は上半身を高くして寝る、ガムを噛んで唾液の分泌を防ぐなどで、症状の悪化を防ぎましょう。
ただし、逆流性食道炎だと思っていたら、実は食道ガンだったというケースもあることから、やはり自己判断せずに症状がある時は病院できちんと検査を受けるのがよいでしょう。
喉の違和感がひどい場合、病院は何科に行けばいいの?
喉の違和感がひどい場合や、症状が長く続く時は病院を受診することをお勧めします。
その際、何科に行けばよいのか迷ってしまいますが、喉の違和感の症状が具体的に表れている時は、症状に見合った科を受診するのがよいでしょう。
例えば、喉の異物感と共に胸やけやゲップがあるなら逆流性食道炎を疑って消化器科、喉仏の下付近の腫れやしこりが気になる時は内分泌科や甲状腺科、喉のかゆみや鼻水などの症状があるならアレルギー科、といった具合です。
自分がどの科に当てはまるかわからない時は、内科か耳鼻咽頭科がよいでしょう。
最近は、総合病院の受付にて症状を告知すると、症状に見合った科を病院側から教えてもらえることもあるので、「何科に行っていいからわからないから、とりあえずは止めておこう」とは思わずに、早めに病院へ掛かるようにしましょう。
なお、病院で検査をしても喉の違和感の原因の特定がつかない場合や、異物感や痛みといった症状があるにも関わらず炎症などが見当たらない時は、ヒステリー球(咽喉頭食道異常感症)と診断されることがあります。
ヒステリー球の治療は、精神科や心療内科にてカウンセリングや投薬がメインになります。
喉の違和感に効果のある市販薬や漢方!
喉に違和感があるものの、すぐに病院へ行ける状況ではないため、とりあえず症状を少しでも緩和・改善したいという時は、市販薬や漢方薬を使うのも一つの方法と言えます。
そこでここでは、喉の違和感に効果のある市販薬や漢方薬をご紹介します。
ぺラックT錠
喉の炎症を抑えるトラネキサム酸を始め、3種類のビタミンカンゾウ乾燥エキスを配合し、喉の腫れや痛み、口内炎を鎮めます。
参考URL: https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/pelack_t_tab/
桔梗湯
喉の腫れや扁桃炎に効く漢方薬です。
特に、咳の症状が伴う時は効果があります。
参考URL: https://www.tsumura.co.jp/products/karyu/kikyo.htm
半夏厚朴湯
喉の詰りや、気持ちの塞ぎを緩和する漢方薬です。
参考URL: https://www.tsumura.co.jp/products/ippan/040/index_s.shtml
喉の違和感は病気なの?原因と解消法や治し方【漢方や市販薬】のまとめ
喉に違和感があっても他に症状がないと、「風邪でも引いたのだろう」と軽く考え、病院へ行って検査を受けることはしない方が多いと思います。
しかし、喉の違和感が症状として現れる病気はとても数多くあり、中には早い段階で治療をしなければ命に関わるものも含まれています。
喉の違和感くらいで病院なんて・・と思うかも知れませんが、病院できちんと検査を受けてその違和感の原因が「ヒステリー球」だとわかれば対処ができますし、もし他の病気であっても早期発見で完治が可能になります。
毎日、仕事や家事・育児で忙しくしていると、なかなか病院へ行く気になれないかも知れませんが、喉の違和感が長く続く時には一度、しっかり検査を受けることをお勧めします。