ヒステリー球の対処の仕方と治療法!
ヒステリー球、という言葉をご存知でしょうか。
読んだそのままから受けるイメージとしては、誰かが「キーッ!」などの奇声を発しながら投げるボール、のような感じでしょうか。これでは少し意味がわかりませんね。
現在、ヒステリーという言葉自体には、女性が癇癪を起こしたり自分勝手なことをわめき散らす、といったイメージがありますが、実はヒステリーの本来の意味はそのようなことではなく、身体的な異常がないにも関わらず手や足が動かせない、声が出ない、痛みを感じるなどの意味があるそうです。
ちなみにヒステリー球には、咽喉頭食道異常感症という呼び方もあります。
どちらにしても余り聞き慣れない言葉ですが、実は最近、このヒステリー球に悩む方が増えているそうです。
では、ヒステリー球の症状とは一体どのようなものなのでしょうか。また、もし自分がヒステリー球になってしまった場合の対処の仕方は、どうすべきなのでしょうか。
そこで今回は、ヒステリー球について調べてみました。
目次
ヒステリー球とは?喉の違和感との違いは?
ヒステリー球は、喉の異物感や喉の閉塞感、イガイガとした痛みや腫れ、胸のつかえなどの症状を引き起こします。
風邪を引いたわけでもないのに喉が痛い、しかも痛いだけではなくきゅっと塞がるような感覚や、何かが詰まっているように感じるため、食事をすると食べた物が喉に引っ掛るのではないかと言った恐怖心が出てしまうケースもあります。
喉の違和感を訴えて内科や耳鼻咽頭科を受診しても、検査では特に問題ないと言われるのもヒステリー球の特徴です。
なお、耳鼻咽頭科では咽喉頭食道異常感症、内科ではヒステリー球(もしくはヒステリー球症候群)と呼ばれるため一見違いがあるように思えますが、同じ症状を指していると捉えてよいでしょう。
ちなみに東洋医学的には、「梅核気」と言って、梅の実が喉に引っ掛っている感じを表す表現もあります。
ヒステリー球の原因は何?
ヒステリー球になる原因は、ストレスと言われています。
過度のストレスが掛かると、自律神経に乱れが生じ体に様々な弊害が現れることはよく知られたことですが、これは自律神経の中の交感神経が過剰に働きすぎるために起こります。
自律神経は、人が活動的に動くための交感神経とリラックスを促す副交感神経に分かれていますが、この交感神経と副交感神経のスイッチがストレスなどによって上手く切り替わらなくなると、心身が常に戦闘態勢(交感神経が優位)に働くためにあらゆる支障をきたしてしまうのです。
そして、その中にヒステリー球があります。
交感神経が働きすぎると、喉の神経が誤作動を起こし狭窄感や息苦しさを感じさせます。
また実際に、喉が狭窄することで喉の内面同士が触れ合うので、それが異物と感じてしまうこともあるようです。
ヒステリー球は、どんな症状があるの?
ヒステリー球の症状を的確に表した表現に、「喉に大きな飴が詰まっているように感じる」というものがあります。
舐めていた飴が何かの拍子で喉に落ちてしまい、ゴロゴロとした大きな塊が喉に引っ掛っているあの感じは、経験者であればわかる苦しみですよね。
あの感覚が、常時喉にあるとしたらどうでしょうか。食べ物を食べたら引っ掛ってしまうかも、と不安になりますよね。
また、喉の違和感と同時に吐き気や胸のつかえを訴える方もいらっしゃるようです。
ヒステリー球になった時の対処の仕方
喉に異物感や狭窄感があり、もしかしたらヒステリー球かも?と思ったら、即効性のある対処法としてグレープフルーツの香りを嗅ぐとよい、ということを覚えておきましょう。
勿論、生のグレープフルーツを買ってカットするのもよいですが、精油ならいつでも気軽に香りを楽しむことができます。
柑橘系の爽やかな香りが、喉や胸のつかえをスッと取り去ってくれます。
ただし、効果には個人差がありますので必ずしも誰にでも効くわけではありませんが、試してみる価値はあると思います。
ヒステリー球の治し方や治療の仕方
ヒステリー球を治すには、とにかくストレスを発散させることが大切です。
中でも、喉に症状が出る方というのは、日頃言いたいことを言えずに我慢している傾向があると言われており、大声を出すことがヒステリー球を改善する方法と言われています。
そこで最適なのがカラオケです。カラオケなら、人目を気にすることなく大声が出せますよね。
歌が苦手という方は無理して歌わずに声を出すだけでもよいそうです。
その際、感情を表に出すような怒鳴り声やわめき声を上げることも効果があるそうなので、曲の音量を上げたらマイクを通さずにめいっぱい声を出してみましょう。
また、睡眠不足も自律神経の乱れを起こす原因になりますので、しっかり寝る時間を取って規則正しい生活を心掛けるのも大切です。
症状が重いと感じたら、思い切って休暇を取りリフレッシュすることも必要でしょう。
ヒステリー球と思ったときには、病院は何科に行けばいいの?
喉の異物感や違和感があり、なおかつストレスがあることも自覚している場合、最初から精神科や心療内科を受診しようと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、喉に症状が出ているのであれば、先に内科や耳鼻咽頭科の受診をお勧めします。
これは、万が一にも喉に現れた症状が、咽頭がんや食道がん、甲状腺異常、扁桃腺肥大などの病気だった場合、それらを見落としてしまう可能性があるからです。
耳鼻咽頭科や内科に行って検査を受けても、特に異常がないと言われたら、心療内科や精神科の受診を考えてみましょう。
ヒステリー球のまとめ
いかがでしたか?
ヒステリー球とは、癇癪を起すような症状ではなく、逆に我慢をしたり無理をすることでストレスが蓄積されて起こる症状だということがわかりました。
実際にヒステリー球になった方の体験談を読むと、本当に大変なことがよくわかります。
ヒステリー球にならないためにも、日頃から上手にストレスを発散させることが大切です。