胃下垂の診断やチェックの仕方と治す方法!
胃下垂とは、読んで字の如く「胃が下に垂れている状態」を言います。
通常であれば、胃はみぞおちの辺りにあるのですが、胃下垂の方の胃は下腹部にまで落ちてしまうため、他は痩せているにも関わらず下腹だけがぽっこりしている人も少なくありません。
しかし、この「他は痩せているのにお腹だけがぽっこり」している胃下垂の方のイメージが、ダイエットに敏感な女性にとって誤解を招きやすい情報となって世の中に流れています。
それは、胃下垂になれば痩せ型の体になれる、というものです。
では果たして、本当に胃下垂になると太らないのでしょうか。
そこでここでは、胃下垂の原因や解消法、自分は胃下垂なのかが判断できるセルフチェックなどをご紹介したいと思います。
目次
胃下垂になる原因は?
胃下垂になる原因は大きく分けて2つあります。
1.身体的な原因によるもの
猫背や骨盤の歪みがある場合、腸が骨盤の中へ入り込んでしまうため、それに引っ張られるように胃も下がってしまうことがあります。
また、痩せている方に胃下垂が多い理由には、脂肪が少ないため内臓を支えることができずに胃や腸が下がってしまうことが考えられます。
同様に、腹筋が少ない方も内臓を支える力が弱いため胃下垂になりやすいと言われています。
2.心因的な原因によるもの
過度のストレスや疲労は、自律神経を乱し胃腸の消化が上手く行われなくなります。
すると、胃の中に未消化の食べ物が長く留まるようになり、その重みで胃が下に伸びてしまいます。
胃下垂の人は太らないというのは本当なの?
胃下垂の人が太らないのは本当かどうかと聞かれれば、それは「本当」であると言えます。
胃下垂になると、消化が上手く行われなくなることで食欲不振に陥ったり、少量を食べるだけですぐに満腹に感じてしまうことがあるからです。
その他、栄養の吸収も阻害されるため、胃下垂の人は痩せ型が多いと言われています。
しかし、これには少し語弊があり、より正確に言うと胃下垂の方は元々痩せ型の方が多いのです。
つまり、痩せているために脂肪や筋肉の量が少なく、胃を支えられないため胃下垂になり、胃下垂になったことで食欲が落ち、ますます痩せてしまうというわけです。
これはとても健康的とは言えません。
食べたいのに食べられない、太りたいのに太れない胃下垂の方からすると、胃下垂をダイエットに利用しようとするのは言語道断と言えるでしょう。
胃下垂の特徴や症状
胃下垂には、次のような症状や特徴があります。
●食欲不振、胃の不快感
●食後に吐き気やゲップがある
●胃酸過多による胃痛
●栄養不足による肌荒れなどのトラブル
●便秘や下痢などの腸のトラブル
このような症状が慢性的に続いている場合は、胃下垂を疑ってもよいかも知れません。
特に、痩せている方の場合は注意しましょう。
あなたの胃下垂度をチェック!
胃下垂は、軽症の場合本人に自覚がない場合もあるそうです。
そこでここでは、自分が胃下垂かどうかを簡単にチェックできる方法をご紹介します。
- すぐ胃がもたれたり、胃が痛くなったりする
- 食後にゲップが出やすく、吐き気が出ることもある
- 食欲がない、食べても少量で満腹になる
- 便秘になったり、下痢になったりしやすい
- 腰痛や冷え症などがある
複数にチェックがある場合は、胃下垂の可能性があります。
胃下垂は、まずは自分が胃下垂かもと自覚することからわかるケースも多いため、最近食べても太らない、食べる量が減ったなどの変化があった場合は胃下垂を疑ってみましょう。
胃下垂を解消する5つの改善方法
胃下垂は放っておくと、胃の内容物を消化しようと胃酸が多く分泌され、胃酸過多や胃痛から胃潰瘍などになってしまうケースもあります。
自分が胃下垂かも、と思ったら、胃下垂を解消する改善方法を行ってみましょう。
腹筋を鍛える
腹筋が少ないと、胃を正常な位置でキープすることができなくなるため、胃下垂になりやすいと言われています。
適度な筋肉を保つために、腹筋を鍛えることが大事です。
とは言え、ジムに通って厳しい筋トレをする必要はなく、自宅で毎日続けて行える方法を選ぶのがよいでしょう。
腹式呼吸
胃は横隔膜にぶら下がっているような状態であるため、腹式呼吸によって横隔膜が上がると、それに伴って胃も上がると言われています。
また、腹式呼吸にはストレスを緩和する効果もあることから、胃下垂の改善に役立つと言われています。
食生活の改善
胃下垂の方は、消化不良になりやすいことから消化のよい食事を心がけることが大切です。
また、アルコールやお肉類、お菓子などは胃に負担をかけやすいので避けた方がよいでしょう。
さらに、回数を増やしてこまめに食べることで、胃への負担を軽減することができ、栄養の吸収率も上がります。
ツボ
胃下垂の改善にはツボ押しも効果があると言われています。胃下垂に効果的なツボには「下脘(げかん)」があります。
おへそから親指2本分上にあるツボで、親指で押しこむように刺激しましょう。
骨の歪みを解消
猫背になっていると、肩が前に回って内臓が奥へ下がってしまいます。
この猫背を治すだけでも胃下垂を改善する効果がありますので、日頃から姿勢を正しく保つように注意してみましょう。
胃下垂の治療方法は?
胃下垂を治すには、手術で胃を上に持ち上げる方法がありますが、現在はあまり行われていないようです。
また、消化剤や胃腸の働きを調整する薬を用いての治療が行われる場合もありますが、その一方で胃下垂を放置される方も多く、胃下垂から胃アトニーに進行してしまう例もよくあります。
胃アトニ―は、胃下垂よりもさらに胃が下がってしまった状態で、胃下垂の症状は勿論ですが疲れやすくなったり、怒りやすくなるケースもあるようです。
食欲不振や胃の不快感が続く時は、胃下垂かどうか調べてもらうのがよいでしょう。
胃下垂を解消する改善方法や治療の仕方のまとめ
胃下垂は、ダイエットの方法ではありません。
胃下垂になって痩せやすい体になろう、という謳い文句は、健康を害することを促しているようなものですから、その言葉を鵜のみにしないようにしましょう。