口臭の本当の原因と対策や予防とチェックの仕方!
人と話している時に、顔を背けられたり、鼻を手で覆ったりされると、「え?もしかして私の口、臭い!?」と不安になりますよね。
特に、きちんと歯磨きをしている方の場合は、どうして口臭があるのかわからないため、人と接することが怖くなったり億劫になってしまいがちです。
そこで今回は、口臭の原因や対策について調べてみました。
調べてみてわかったのは、口臭は単に歯磨きだけで改善するわけではない、ということ。
口臭の悩みは人になかなか相談することができないものですが、一人でも多くの方がこの記事を読んで正しい知識や対策を身につけて、口臭を改善する手助けになることを願います。
目次
口臭の原因は?
口臭の原因は、大きく3つに分類されます。
1.生理的口臭
口腔内に残った食べカスや粘膜などに雑菌が繁殖することで起こる口臭。
この生理的口臭は程度の差はあるものの誰にでも起こるものです。
2.一時的な口臭
にんにくなど匂いの強いものを食べた後や、コーヒー、たばこ、アルコールなどを口にした時は、一時的に口臭が発生する場合があります。
3.病的口臭
歯周病や胃腸の不調、便秘などが原因で起こる口臭。
これまで、口臭の主な原因は歯周病と考えられてきました。
そのため、虫歯の治療をしっかり行うことで口臭は改善されるものと捉えられていたのですが、最近では生理的口臭が大きな割合をしめていると見方が変わり始めています。
つまり、いくら歯医者へ行って虫歯や歯周病の治療をしても、自分で歯磨きなどのケアを怠っていては口臭はなくならないというわけです。
あなたの口臭のチェックの仕方
自分の口臭を自分で確認することは、なかなか難しいものですが、中には「自臭症」と言って実際に口臭がないにも関わらず臭いが気になってしまう方もいらっしゃいます。
そこでここでは、簡単にできる口臭チェック法をご紹介したいと思います。
1.舌を確認する
鏡に向かって舌を出した時、舌の表面に白い汚れがあるか確認してみましょう。
この白い汚れは「舌苔」と言われるもので、口臭の元となります。
見つけた時は舌ブラシを使って落としましょう。
2.コップやビニール袋を使う
コップやビニール袋に息を吹きかけ、その臭いを嗅いでみましょう。
特に朝起きてすぐにこの方法を行うと生理的口臭の度合いがわかります。
3.自分の手を舐める
手の甲や手の平を舐め、唾液が乾いてからその部分を嗅いでみて下さい。
口臭がなければ殆ど臭いが残っていませんが、臭いがする場合は口臭が強い可能性があります。
4.口臭チェッカーを利用する
市販されている口臭チェッカーを使うと、臭いの強さを段階で知ることができます。
口臭から考えられえる病気は?
口臭の原因は、約9割が生理的口臭によるものとも言われていますが、中には病気が原因の場合もあります。
では、口臭が症状として現れる病気には、どのようなものがあるのでしょうか。
虫歯
虫歯の原因は、ミュータンス菌を始めとした細菌類です。
歯の隙間に歯垢や歯石があると、ミュータンス菌が酸を放出してそれを分解するのですが、その時に歯を溶かして虫歯を作ります。
そして、虫歯になった穴に食べカスが詰まり、酸の分解臭と混じり合って口臭となります。
歯周病
歯周病を引き起こす歯周病菌は、臭いの強いガスを発生させることから、口臭の原因となります。
しっかり歯磨きをしているにも関わらず、口臭が強いという場合は歯周病の可能性が高いと考えられます。
ドライマウス
ドライマウスとは、唾液の分泌量が低下することで、喉や口が乾きやすくなったり、パンなどが食べづらく感じる症状です。
これらは一見、口臭とは無関係のように思えますが、唾液の量が少ないと口臭が強くなると言われています。
普段、あまり口臭が気にならない方も、朝起きた時の口の臭いは気になるという場合があると思いますが、これは睡眠時に唾液の分泌が減るためだからです。
呼吸器系
肺や気管支、気道と言った呼吸器系に何らかのトラブルや病気があると、口臭が発生することがあります。
また、呼吸器系で起こる口臭には、
①乾燥によって雑菌が繁殖したもの、
②炎症によって生じた痰が排出されず臭いの元となっているもの、
③出血や膿が溜まり臭いとなっているもの、
の3つの原因があります。
消化器系
暴飲暴食が続いたりストレスなどで胃がダメージを受けると、胃の機能が低下して消化不良が起こり悪臭が発生することがあります。
胃で発生した悪臭は食道を通って口臭となって放出されるため、胃が原因の口臭というのもあり得るのです。
また、ひどい便秘になると腸内で発生したガスが腸管から血液に吸収され、肺に送られることで呼気に便臭が混じることもあります。
耳鼻咽喉系
扁桃腺炎や蓄膿症など、耳鼻咽喉系の病気がある場合にも口臭が症状となって現れるケースがあります。
肝機能障害
肝臓には、体内で発生した有害物質を無毒化するというとても重要な役割があります。
そのため、肝臓の機能が低下すると、分解されない有毒物質が体内に蓄積されて口臭が発生してしまいます。
また、肝機能障害が原因の口臭は臭いによって段階があり、症状が初期の頃は「ドブ」や「雑巾」のような臭いがしますが、症状が進行すると強烈な「アンモニア臭」を放つようになります。
腎機能障害
腎臓は、老廃物を尿として体の外へ排出する働きを行っているため、腎臓の機能が低下すると尿として排出されるはずのアンモニアが体内に蓄積し、再び血液に吸収されるとそれが肺に届いて、呼気と共に放出されます。
このようなことから「口からおしっこの臭いがする」場合は、腎臓の機能の低下が考えられます。
カンジタ感染
カンジタ症は、カンジタ菌という細菌によって起こる病気なのですが、このカンジタ菌自体は常在菌であり健康な人の体にもいる菌です。
しかし、体調不良や免疫力の低下などによってカンジタ菌が増えるとカンジタ症を引き起こします。
中でも口の中でカンジタ菌が増える「口腔カンジタ症」になると、口臭を発生させることがわかっています。
糖尿病
糖尿病の方は、インスリンの分泌量が減るため体内の脂肪を分解してエネルギーを生み出すのですが、この時血液中にアセトンという物質が増加します。
アセトンは健康な人の血液や尿にも含まれるものですが、糖尿病の方の場合アセトンの量が多いため、独特の酸っぱい臭いが強く出ます。
トリメチルアミン尿症
トリメチルアミン尿症とは、食べ物を消化する時に発生するトリメチルアミンという物質を分解する酵素がないため、呼気や尿、汗などに混じって放出されてしまう病気です。
魚が腐ったような臭いがすることから、魚臭症とも呼ばれます。
胃と口臭の関係は?
胃痛や胃の不快感がある時に自分の口臭が気になる、という方は少なくありません。
胃の機能が低下すると、食べ物の消化が上手く行われなくなり、胃に残ったものが発酵して悪臭を放ちます。
悪臭は食道を通じて口臭として放出されるだけではなく、悪臭の元となる有害物質が血液に吸収されるとやがて肺に到達し呼気として排出されます。
ちなみにこの時の口臭は、卵が腐ったような臭いがすると言われています。
また、ストレスなどで胃酸が多く出過ぎると、胃酸が食道を逆流し口まで上がってくることがあります。
その時にはツンとした酸っぱい口臭がします。
口臭の種類と臭いの特徴
口臭は、原因によって臭いが違うという特徴があります。
このため、臭いによってある程度、原因を見極めることができます。
生理的口臭
・腐ったたまねぎのような臭い(歯周病)
・腐ったたまごのような臭い(口腔内に残った食べ物や粘膜のカスによるもの)
・硫黄のような臭い(虫歯)など
一時的な口臭
・にんにく(アリシン)
・アルコール(アルデヒド)など
病的な口臭
・酸っぱい臭い(胃酸過多、逆流性食道炎など)
・膿んだ臭い(蓄膿症、副鼻腔炎など)
・血生臭い臭い(気道や気管に出血や膿などが起こっている)
・便のような臭い(便秘)
・酸っぱい臭い(糖尿病)
・アンモニア臭(肝臓病や腎臓病)など
口臭の治療や対策方法
口臭の原因の約90%は、口腔内に原因があると言われています。
そのため、虫歯の有無の確認は勿論のこと、虫歯がない時にも定期的に歯医者に通って歯をチェックしてもらうことがとても大切です。
特に、歯と歯の間は20代を境に隙間ができ始めるため、歯垢が溜まりやすくなります。
歯垢をしっかりと取り除けないと2日ほどで歯石となってしまい、歯石は毎日のブラッシングでは除去することができなくなります。
また、最近は口臭外来を併設している病院も増えていることから、口の臭いが気になる場合には是非一度受診してみてはいかがでしょうか。
口臭外来では、口臭の原因をつきとめ、それに見合った治療をしてくれますし、セルフケアの方法なども詳しく教えてもらうことができます。
口臭を普段から予防するには?
生理的口臭や一時的な口臭は、歯磨きをしっかりと行う・唾液の分泌を促す・うがいをする・においの強い食べ物を食べないなどの方法で殆どが解消されます。
また、唾液の分泌を意識することも口臭予防に一役立ちます。
唾液の分泌量を増やすためには、よく噛んで食べる、水分を多めに摂る、酸味のある物を食べるなどの方法がある他、「三大唾液腺」と言われる舌下腺・耳下腺・顎下腺を刺激することでも、増やすことができます。
口臭がなかなか治らない時は病院は何科に行けばいいの?
近年、口臭を専門に診てもらうことのできる「口臭外来」がある病院も増えてきていますが、大学病院など一部に限られているのが現状のようです。
そこで、口臭が気になって病院を受診したい場合は、まず歯科へ行くのがよいでしょう。
口臭の原因の殆どが口腔内に関係していることから、虫歯や歯周病のチェックをしてもらうことはとても大切です。
また、歯科で診てもらった後も口臭が気になる場合は、臭いの種類によって専門医を受診してみましょう。
口臭の原因や対策と治療方法のまとめ
口臭を予防することは、人としての大切なマナーです。
しかし、実際は口臭がないにも関わらず、自分は臭っているのかも・・と不安になりすぎる方も多くいらっしゃいます。
口臭を気にし過ぎることはかえってストレスとなり、そのストレスが結果的に口臭を引き起こすこともありますから、過度に心配をするのは止めましょう。