突発性難聴の対策と改善方法!
私達人間は、周囲の情報を視覚や聴覚から得ています。
特に、サルを除く他の動物と比べると人間は視覚が非常に発達していると言われ、対象人物や対象物の距離感は勿論ですが、色や明るさなどの情報も鮮明に得ることができます。
一方聴覚は、視覚に比べて情報の伝達時間が遅くなるため、視覚と聴覚の同時で情報を得た時、しばしば視覚で得た情報を脳が優先させます。
これを「視覚優位」というのですが、だからと言って聴覚の情報を得る力が視覚より劣るというわけではありません。
むしろ、聴覚は視覚とは違い360度あらゆる方向からの情報を「音」として得ることができますし、人間の最大のコミュニケーションツールである「言葉」もまた、耳から得た情報ということになることから、私達にとって聴覚はとても大切な役割を担っているのです。
その聴覚が、ある日何の前触れもなく突然失われたとしたらあなたはどうしますか?
音が聞こえない、声が聞こえないというのは想像を絶する世界です。
そこで今回は、突然耳が聞こえなくなってしまう「突発性難聴」についてお話したいと思います。
目次
突発性難聴とは?
突発性難聴とは、突発性難聴を発症するまで特別耳に何かしらの病気を抱えていたわけではなく、かつ健康状態も悪くなかった中で、ある日突然、耳が聞こえなくなってしまう病気を言います。
通常は、左耳か右耳のどちらか片側の耳のみに症状が現れますが、稀に両耳同時に起こることもあります。
2001年の調査では、全国の受療者数は推定で年間35,000人となっており、1993年の調査の24,000人よりも増加しています。
突発性難聴の発症は50~60代に多いものの男女差はなく、小児の発症例もあり、必ずしも年齢が関係しているわけではないようです。
この病気は「朝起きたら片耳が聞こえなくなっていた」とか「仕事の会議中に突如聞こえなくなった」というように、ある日ある時いきなり聞こえなくなるというのが大きな特徴となっています。
どうして突発性難聴になるの?その原因は?
突発性難聴は、発症原因が解明されていないため、国の難病指定を受けています。
急激に発症する感音難聴の中で、原因がわかるものについては突発性難聴とは診断されず、原因がわからないもののみを突発性難聴としています。
ただし、今のところ原因は不明となっていますが、いくつか推定されている原因の中でも有力視されているものが2つあります。
①ウィルス感染によるもの
難聴の発症前に風邪に似た症状があったと訴える患者さんが多いことや、一度突発性難聴になって治癒すると、再発することがない(風邪のように抗体ができると考えられています)ことから、ウィルス感染説が挙げられています。
②内耳循環障害によるもの
内耳血管の血栓や出血などのトラブルが原因で突発性難聴が引き起こされているという説です。突発性難聴は片耳のみに起こるのが多いことや、血管拡張剤や抗凝固剤の投与が症状改善に有効なことから、有力な原因として考えられていますが、この説だと突発性難聴は再発しないという特徴を説明できません。
突発性難聴は遺伝はしないと考えられていますが、上記のように原因がはっきりとしていません。とは言え、遺伝性の難聴がいきなり悪化するということはあり得ますので、少しでも耳の聞こえがおかしいと感じたらすぐに耳鼻科に行きましょう。
突発性難聴の初期症状は?
突発性難聴は、ある日突然片耳(時として両耳に起こるケースもあり)が聞こえなくなってしまう難病です。
では、突発性難聴の初期症状とは一体どのようなものなのでしょうか。
突発性難聴はその他の難聴のように、「いつ頃から聞こえが悪くなったのかわからない」ということがなく、●月●日の何時頃に右耳が聞こえなくなった、と日付や時間をはっきり覚えているのが特徴です。
また、声や音が聞こえにくくなった、聞こえなくなったとう症状の他にも、耳の中に何かが詰まっているような感じ、水の中に入っているような感じと言った耳の閉塞感を訴える方や、ザーッというノイズが片耳だけ聞こえるといった症状があったという方もいらっしゃいます。
突発性難聴で起こるストレスの対処法は?
突発性難聴の発症原因は不明ですが、発症から2週間以内に治療を開始すると回復の度合いが高くなると言われています。
耳の異変に気付いたら、なるべく早く病院を受診するのがよいでしょう。
また、片耳が聞こえないというのは思っている以上にストレスを感じてしまうものなのですが、そのストレスが突発性難聴の治りを妨げる要因となってしまいます。
可能であれば、会社を休んでしっかり休養することが大切です。難聴のレベルにもよりますが、中度から重度の方の場合は入院を薦められる場合もあるようです。
なお、音が聞こえないため、映画や音楽を聞いてストレスを緩和することができない分、マッサージや整体などでリラックス効果を高まるのがよいでしょう。
突発性難聴の時の「めまい」の対処法は?
突発性難聴の副症状に、めまいがあります。
出現率は3割程度と言われていますが、自宅や外出先でめまいの症状が現れたら、どのように対処すればよいのでしょうか。
めまいを起こしている時は、なるべく光の刺激を受けない方がよいと言われています。
そのため、可能であれば暗い部屋や暗い場所に移動するのがよいでしょう。立っていたり座っているより、体を横にした方が早く楽になれます。
とは言え、体がふらついている時は無理に動こうとせず、その場で休むようにして下さい。
突発性難聴によるめまいの場合、10分程度で治まる場合が多いようですが、めまいが長時間続く、何度も頻繁に起こる場合は他の病気も考えられますのですぐに病院で受診して下さい。
なかなか突発性難聴が止まない時、病院は何科に行けばいいの?
突発性難聴は、ある日突然片耳の聞こえが悪くなる病気ですが、中には耳が聞こえていないという自覚がないまま、同時に耳鳴りやめまいが起こる方もいらっしゃいます。
しかし、めまいの場合数分~数時間で治まってしまうのが殆どのため、耳鳴りがしても「疲れているのかな・・」くらいで病院を受診される方は少ないようです。
また、耳鳴りよりもめまいの方が怖いという印象があることから内科を受診して、結果的には「何ともない」と言われて帰されることもあるようですが、少しでも耳に違和感がある場合はやはり耳鼻科へ行くことをお勧めします。
また、めまいが主症状で主症状でも総合病院へ行くと、内科の前に先に耳鼻科への受診を勧められるので、めまい=内科ではなく、耳鼻科と覚えておくのがよいかも知れません。
突発性難聴のまとめ
突発性難聴は、症状に気付いてからなるべく早く病院を受診するとそれだけ回復も早まるそうです。
普段、余り気にしない耳ですが、詰まった感じがする、音や声が聞き取りにくい、周囲から「聞こえているの?」とよく言われるなどの症状があったら、できるだけ早く耳鼻科へ行くようにしましょう。