寝ている時に突然足がつるのは体に異変があるの?
寝ている時に、突然、足に鋭い痛みが走って目が覚めた、という経験はありませんか?
これは、足の筋肉が意思とは全く無関係にいきなり収縮や痙攣を起こすもので、特にふくらはぎに起こるものを「こむら返り」と呼んでいます。
一生に一度は誰もが経験すると言われており、特に50才以上になるとほぼ全員がこむら返りの経験があります。
また、60才以上になると30%程度、80才以上になると約半数が、2ヶ月に一度はこむら返りになると言われています。
こむら返りは、日中・睡眠時に関係なく同じように起こるものですが、特に寝ている時に何の前触れもなく足がつると、足の痛みや不快感だけではなく、睡眠時間にも影響しますので注意が必要となっています。
では、寝ている時に突然足がつるのは一体どうしてなのでしょうか。
また、寝ている時に足がつりづらくなるような、対処法などはないのでしょうか。
目次
寝ている時に足がつる原因は?
寝ている時に足がつる原因には、次のことが考えられます。
- 日中の激しい運動、長時間の歩行による筋肉疲労
- 冷え
- ミネラルや栄養不足
普段、運動をしていない方だけではなく、日常的に運動をしている人でも急激に筋肉を酷使すると、寝ている時に足がつりやすくなってしまいます。
足がつる原因としてもっとも多いのがこの筋肉疲労で、運動だけではなくハイヒールを履いて長い時間立ちっぱなしでいたり、日常の疲労が蓄積しても起こることがあります。
次に冷えも、足がつる主な原因として挙げられます。
特に寝ている時は血行不良になりやすいため、足がつりやすい状況にあると言えますし、エアコンなどによって体が冷えるとやはり血液の巡りが悪くなることから、足がつりやすくなってしまいます。
この他、ダイエットや夏場の熱中症などのミネラルや栄養不足が原因で、寝ている時に足がつってしまうことがあります。
慢性的に「足がつる」原因は?病気の可能性はあるの?
慢性的に足がつる場合は、上記のような筋肉疲労や血行不良以外の原因が考えられます。
例えば、糖尿病や副甲状腺機能低下症、甲状腺機能低下症と言った内分泌疾患によるものや、脳梗塞、脳腫瘍、脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症といった病気などです。
また、腰痛や椎間板ヘルニアが原因で足がつることもありますので、足が頻繁につる場合には病院へ行って検査してもらった方がよいでしょう。
足がつった時の対処法を詳しく教えて!
足がつってしまったら、筋肉を伸ばしてほぐしてあげることが大切です。
つったのがふくらはぎや太腿の場合は、つった足の先を持って足裏を反らせるようにゆっくりと伸ばします。足の先を掴めないと言う方はタオルなどを引っ掛けて行うのもよいでしょう。
また、すねがつった場合はふくらはぎや太腿の対処法とは別で、すねを伸ばすような姿勢を取ります。最も簡単なのは正座ですね。
さらに、これらの対処法を行う時は、いきなり負荷を掛けずにゆっくりと伸ばすことが大切です。強すぎる力で伸ばすのもいけません。
急激に伸ばしたり強い力で伸ばすと、肉離れを起こすことがあるので注意しましょう。
足がつらなくなる予防法や対策法
大量に汗をかいた場合は、水分をしっかり摂りましょう。その場合、ただの水よりもミネラル分を多く含むミネラルウォーターやスポーツドリンクを飲むのがよいでしょう。
また、運動の前と後にはストレッチを行い筋肉をよくほぐすことも大切です。ストレッチは運動の前後に限らず、就寝前や起床時に習慣的に行うことで、足がつるリスクを軽減してくれます。
さらに、豚肉や豆類、卵などに多く含まれるビタミンB1や、タコやイカを始めとした甲殻類や貝類に多いタウリンを含んだ食生活を行うのも予防になります。
ビタミンB1やタウリンは疲労回復効果に優れているため、これらが不足すると筋肉疲労の回復が遅くなり、足がつりやすくなると言われています。
どのような時に「足がつりやすく」なるの?
ナトリウムやマグネシウム、カリウムやカルシウムなどのミネラル分が不足すると、筋肉への情報伝達がスムーズに行えなくなります。
特にマグネシウムは、「筋肉のミネラル」とも呼ばれており、筋肉を収縮させることによって神経の高ぶりを抑える働きがあるのですが、この働きが上手く行えなくなると神経が異常に興奮した状態になり、足がつりやすくなってしまうと言われています。
マグネシウムを始めとしたミネラル分の不足は、運動や夏場の高い気温によって大量の汗をかくことによって引き起こされるケースが多いですが、食生活の乱れやストレス、喫煙などによってもミネラルは不足しますので、足がつりやすいという方は生活習慣の見直しをしてみることも大切でしょう。
頻繁に足がつる時は、病院は何科にいけばいいの?
一般的に、足がつるのは年齢や健康状態に関わらず、どのような方でも起きるものとして考えられています。
多くの場合は一過性で、心配することはないものと言われていますが、頻繁に足がつる時は背後に病気が隠れているケースもあるので病院に行くのがよいでしょう。
その場合、何科を受診すべきか悩む方もいらっしゃると思いますが、総合病院であれば受付にて症状を伝えたら自動的に受診すべき科を教えてくれます。
近くに総合病院がない時は、腰痛や下肢の痛みや痺れがあるなら整形外科を、特にそのような症状がなければ内科、もしくは神経内科がよいでしょう。
また、これらの科を受診しても「特に原因が見つからない」と言われた場合は、別の科の受診、もしくは総合病院へ行くようにして下さい。
寝てる時に足がつる原因と対処法のまとめ
足がつる、というのはそれほど稀な症状ではなく、自分自身が足をつった経験や、目の前で友人や知り合いが足をつってしまい「足の先を押して」と頼まれたことがある、という方は多いと思います。
殆どのケースは治療の必要がないものと言われていますが、中には重篤な病気が原因となっている可能性もありますので、何度も続くようでしたら病院へ行くのがよいでしょう。