突然ふくらはぎがつるのは病気のサイン?対処法は?
ジョギングや水泳をしている時や、寝ている時などに、いきなり足が攣‘(つ)ったことはないでしょうか?
ズキーン!と脳天まで響くような激痛に思わず体を硬直させて、痛みがなくなるのをじっと待った経験と言うのは、誰でも一度くらいはあると思います。
この激痛は、医学用語では「有痛性強直性筋痙攣」と称され、特にふくらはぎで起こるものを「腓腹筋痙攣」と言います。
腓腹筋とはふくらはぎにある筋肉のことで、「腓(こむら)返り」の呼び方に聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。
さて、ではなぜふくらはぎの筋肉が痙攣する、いわゆるこむら返りは起こるのでしょうか?
ふくらはぎが攣るのは何かの病気のサインなのでしょうか?
今回は、ふくらはぎが攣る原因が対処法について調べてみたいと思います。
目次
ふくらはぎがつる原因や理由は?
ふくらはぎが攣る原因には、以下のことが考えられています。
①筋肉疲労
激しい運動や過度のトレーニングが原因で筋肉に疲労物質が溜まってしまい、収縮と弛緩のバランスが崩れることで起こります。
②血行不良
長時間の立ち仕事で足がむくんだり、妊娠後期に胎児が大きくなって鼠径部の血管を圧迫することで起こります。
③体の冷え
汗をかいた後の急激な体温低下や、夏場のエアコンなどが原因と考えられます。
④水分やミネラルの不足
運動時や熱中症で脱水状態となることで起こります。
⑤神経系の異常
筋肉を動かす大脳や脊髄部分に何らかの異常があり、本来伝達されるべき正しい情報が筋肉に伝わらないため、一部分の筋肉のみが異常な収縮を起こしてしまうことで起こります。
⑥病気
病気が原因でふくらはぎが攣ることがあります。
なお、ふくらはぎが攣る原因がこれらの中のどれかに必ず該当するわけではなく、原因が不明というケースもあります。筋肉痙攣については、そのメカニズムが詳しく解明されていないのが現状のようです。
慢性的に「ふくらはぎがつる」原因は?病気の可能性はあるの?
筋肉疲労や冷え、水分やミネラル不足が原因によってふくらはぎが攣った場合は、殆どが一過性で、何度も繰り返しふくらはぎが攣ってしまうということは考えにくいと言えます。
しかし、ふくらはぎのケアを行い、冷え症の改善、運動時や夏の暑い時期にはしっかり水分補給しているにも関わらず、頻繁にふくらはぎが攣る場合には、何か他の原因が隠れていると思われます。
特に注意したいのが、病気です。
ふくらはぎが攣る原因の中に、糖尿病や肝硬変、閉塞性動脈硬化症、脳梗塞、甲状腺障害、椎間板ヘルニアと言った病気によるケースがあるからです。
また、すでにインスリンやホルモン剤などの薬を飲んでいる場合にも、副作用としてふくらはぎが攣ることがあるようです。
ふくらはぎがつった時の対処法を詳しく教えて!
ふくらはぎが攣ったら、思い切り足を伸ばすのがよいと覚えている方も多くいらっしゃると思います。
中には、ふくらはぎを激しくパンチするという方法をとっている方もいるようですが、実はこれらの方法は間違いです。
ふくらはぎが攣っている状態というのは、筋肉が激しい収縮を起こしているということなので、そのような時に無理に足を伸ばしたり筋肉を強く叩くと、筋肉が傷んでしまい最悪肉離れを起こしてしまうこともあります。
ふくらはぎが攣ったら、まずは楽な姿勢を取り、ゆっくりを足を伸ばしましょう。
その際、強く膝を押したり無理矢理ふくらはぎを伸ばしたりせず、ゆっくりと慎重に行います。
ふくらはぎがつらなくなる予防法や治し方!
ふくらはぎが攣らないようにするためには、原因を予防することが大切になります。
筋肉疲労を解消するには、運動前や運動後のストレッチが効果的です。
運動前のストレッチは筋肉に柔軟性を持たせ、運動後は筋肉に溜まった疲労物質を促す働きがあります。
また、運動前にクエン酸を摂取すると筋肉疲労の回復を助けてくれるのでお勧めです。
冷え症対策には、お風呂にゆっくりと浸かって体を芯から温めたり、夏場の暑い時期にエアコンの使い過ぎに気を付けてみましょう。
デスクワークが多く血行不良になりがちな方は、通勤を徒歩にしてみる、1時間に1度は立ち上がって軽いストレッチをするなど工夫をしてみるのも大切です。
どのような時に「ふくらはぎがつりやすく」なるの?
ふくらはぎが攣る一番の原因は、やはり運動であると言われています。
しかし、運動が直接の原因というわけではなく、運動を行う上でいくつかの注意点を見過ごしているためだと考えられます。
それは、水分不足と準備運動不足です。
人は運動をすると汗をかきますが、その時水分を補うために水を飲む方がいらっしゃいます。
ですが、水を飲むだけでは汗と一緒に失われたミネラル分(カリウムやナトリウム、マグネシウムなど)は補給できないため、筋肉に負荷が掛かってしまいます。
また、激しい運動をする前に準備運動やストレッチを行わないと、筋肉がほぐれないまま急に酷使することになるので大きな負担となってしまいます。
頻繁にふくらはぎがつる時は、病院は何科にいけばいいの?
ふくらはぎが攣る経験というのは、誰でも一生のうちに一度は必ずするものだと言われています。
ですので、一度や二度起こったくらいでは、それほど深刻に考える必要はないかも知れません。
しかし、何度も頻繁に起こる場合は、やはり大きな病気が原因の可能性があるので病院で診てもらうのがよいでしょう。
その場合、通常であれば整形外科に掛かります。
ただし、糖尿病や動脈硬化が原因の場合は整形外科では見落とされるケースもありますので、整形外科で診てもらっても治らない場合は、内科や神経内科を受診しましょう。
ふくらはぎがつる原因と対処法のまとめ
余談ですが、ふくらはぎが攣ることを通常「こむら返り」と言いますが、関西地方では「こぶら返し」と言うそうです。
一見するとプロレス技のようにも聞こえますが、腓(こむら)は古来よりこぶらとも言われていたため、関西地方の呼び方も間違いではないそうです。