足底筋膜炎のストレッチや治療方法!
散歩が日課のAさん。今日も出掛けようと思っていた矢先、玄関から数メートル歩き始めたら急に足の裏に激痛が走って、慌てて自宅へ戻りました。
美容師をしているBさんは、最近お客様の髪をカットしている時に足の裏に痛みを頻繁に感じるようになりました。
AさんもBさんも、「ちょっと疲れているだけ・・」とその痛みを放置していたら、痛みの頻度は増し、痛さも強くなってきたような気がして思わず病院へ駆け込みました。
診断されたのは「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」という耳慣れない名前。
でもこの足底筋膜炎、40代以降の方なら特に注意したい症状なのです。
そこで今回は、足底筋膜炎について調べてみました。
目次
足底筋膜炎とは?
足底筋膜とは、足の裏の指の付け根からかかとの骨の部分まで、膜のように張っている薄い腱のことを言います。
足底筋膜炎とは、この足底筋膜に炎症が起きたり、小さな断裂を起こしている状態を指します。
主に40~50代以上に多く発症しますが、スポーツ選手などの場合は若い世代でも発症すると言われています。
足底筋膜炎になる原因は?
足底筋膜炎になる一番の原因は、急激な筋肉疲労や疲労の蓄積によって足底筋膜が固くなってしまうことだと言われています。
足底筋膜は、歩く時やジャンプをした時などに伸び縮みをして衝撃をやわらげる役割を果たしているのですが、運動不足の方がいきなりジョギングやハードなスポーツを行うと、負荷に筋肉が耐え切れなくて炎症を起こしてしまいます。
また、普段運動をしているスポーツ選手の場合には、筋力は十分備わっていても運動後のケアを怠ると疲労が蓄積して、足底筋膜炎を発症してしまうと言われています。
この他、体重増加によるもの、偏平足、長時間の立ち仕事、老化なども足底筋膜炎を引き起こす原因と言われています。
足底筋膜炎の症状は?
足底筋膜炎は、人によって訴える痛みの箇所や痛みの出現の仕方が異なるため、足底筋膜炎と言えばこの症状、というような大きな特徴は述べにくいと言われています。
そのため、足の裏に痛みを感じて不安になり、インターネットで調べてみても、自分が足底筋膜炎なのかどうなのか判断がしづらいと思う方も多いようです。
そこでここでは、足底筋膜炎の代表的な症状を上げさせて頂きます。
なお、これらの症状の全てがあてはまる方が足底筋膜炎だと言うわけではなく、どれか一つでも当てはまるとその可能性があるそうなので、是非参考にしてみて下さい。
動き始めの最初の一歩目が痛い
朝、ベッドや布団から起き上がった時、デスクワークをしていてトイレに行こうと立ち上がった時、バスや電車を待っていて、到着と同時に足を踏み出した時など、それまでとは違う動作を行う最初の一歩目にズキッとした痛みを感じる方が多いようです。
歩いたり、走ったりすると痛みが出る
何もしていない時はそこまで痛くはないけれど、歩く・走るなどの足の裏に負荷が掛かると痛みが出るのも、足底筋膜炎の特徴と言えます。
歩いているとだんだんと痛みが消えていく
歩き始めは痛かったのに、気が付くと痛みがなくなっている場合は足底筋膜炎の疑いがあります。逆にどんどんと痛みが強くなる時は別の病気の可能性があります。
立ち仕事をしていると痛む
台所仕事をしていたり、コンクリートなどの固いところに長時間立っていると痛みが出る方もいらっしゃいます。
踵や土踏まずの部分が傷む
足底筋膜炎は足の指からかかとの骨部分まで張っている膜ですが、指の付け根部分よりもかかとや土踏まずに痛みが出る方が多いようです。
足底筋膜炎の対処と治療方法
足底筋膜炎は、9割の方が数か月から3年以内に自然治癒すると言われています。
しかし、痛みがあるうちは生活がままならない状態になるため、できれば早く治してしまいたいですよね。
そこでここでは、足底筋膜炎の対処法をご紹介したいと思います。
ストレッチ
座った状態で片方の足首をもう片方の足に乗せ、足首をぐるぐると回します。また、指の部分を掴んで、足の裏を伸ばすのもよいでしょう。
さらに、椅子に浅く腰掛け片方の足を伸ばしたら指を上に向けます。
この時、ふくらはぎの裏が張っていることを意識しましょう。次に、正座をして片方の膝を少し持ち上げます。この動作で脛の部分が伸びます。
足底筋膜炎になる方の多くは、足首が固いと言われています。
また、足の裏に繋がっているふくらはぎや脛の筋肉をやわらかくすることで、足の裏への負担も減り、回復が早まると言われていますので、このストレッチをワンセットにして両足をやるようにして下さい。
テーピング・サポーター
一時的に痛みを取るには、テーピングやサポーターは効果的です。
とは言え、状況によって適しているテーピングの方法は異なりますので、こちらでは、キネシオテープを使った簡単な方法をご紹介します。
足の裏を伸ばした状態で、熊手状にカットしたキネシオテープを貼ります。
この時、切れ込みの入っていない部分をかかと側に貼り、そこから指に向かって一本ずつ貼って下さい。
足の疲労をとる(温めて血行を良くする)
足底筋膜炎は、足裏やふくらはぎの筋肉が緊張している状態になりやすいと言われています。
そのため、温めてあげることで痛みが軽減し、自然治癒力が高まると言われています。
お風呂に入った時は、足裏は勿論ですがふくらはぎを擦って筋肉の緊張を解すようにしましょう。
ただし、指でぎゅうぎゅうと圧を与えるように揉み込むのは、返って筋肉にダメージを与えるためお勧めしません。
やってはいけない足底筋膜炎の対処法
足底筋膜炎では、やってはいけない対処法というのがあります。知らずに行ってしまうと状態を悪化させてしまいますので、くれぐれも注意して下さい。
アイシング
足底筋膜〝炎〟というくらいですから、足の裏が炎症を起こしているので冷やすのがよいと考えがちですよね。
しかし、冷やすことによって筋肉は固まってしまいますし、体の一部が極端に冷えることで自律神経の中の交感神経が働き、より筋肉を緊張させてしまうと言われています。
足底筋膜炎の場合は、冷やすより温める方がよいと言われているのはこのためです。
マッサージやはり
肩こりや腰の痛みを緩和してもらおうと、マッサージを行った翌日、前よりも痛みを感じたことはありませんか?
いわゆる「揉み返し」の状態ですが、これはマッサージを受けた筋肉が反発を起こして、緊張してしまうからだと言われています。足底筋膜炎にとって筋肉の緊張はタブーです。
このため、マッサージやハリといった治療は避けた方がよいと言われています。
足底筋膜炎がなかなか治らない時は、病院は何科に行けばいいのか?
足の裏が痛い・・。もしかしたら足底筋膜炎かも・・・。
そう思って病院へ行くことを考えた時、何科を受診したらよいのか悩みますよね。
そのような時は「整形外科」に行きましょう。
整形外科では、足底筋膜炎の他モートン病や痛風、外反母趾など、足の裏に痛みが出る症状を見てくれるので安心です。
足底筋膜炎のまとめ
いかがでしたか?
足底筋膜炎は、その症状に早めに気付いて対処することによって悪化を防ぎ、治りも早いと言われています。
しかし逆に放置してしまうと、何年もその痛みに耐えなければならなくなりますので、足の裏に痛みを感じたら足底筋膜炎を疑ってみましょう。