食欲不振の原因と解消法!
人の三大欲求は、睡眠欲、性欲、そして食欲と言われています。
ここで言われる欲とは、俗に言う「お金持ちになりたい」とか「有名になりたい」などの私欲とは異なり、人は元より生物が生きていく上で必要不可欠なものを指します。
睡眠欲は眠ることで脳を休ませるため、性欲は種の保存・繁栄、食欲は栄養を体に取り込むために欠かせないのですが、この中で、食べたい物を食べたいと思う意欲がなくなること、いわゆる食欲が沸かない状態を食欲不振と言います。
誰しも、一度くらいは「ご飯が食べたくない・・」と思った経験があると思いますが、ではなぜ、食欲不振は起こるのでしょうか。
また、食欲不振になった場合、それを解消する方法はあるのでしょうか。
そこで今回は、食欲不振について調べてみました。
目次
食欲不振の原因は何?
食欲をコントロールしているのは、脳にある視床下部という部分。
中でも視床下部外側野と視床下部腹内側野いう部分が、動物の摂食行動に深く関わりがあるとされており、視床下部外側野は別名摂食中枢、視床下部腹内側野は満腹中枢と呼ばれています。
摂食行動に対し、摂食中枢と満腹中枢はお互いの作用を弱める働きをすることで調整を行っているのですが、このバランスが崩れると、いくら食べても満腹感を感じないまたは逆に全く何も食べていないのにお腹が空かないといった状態に陥ります。
また、視床下部は自律神経の調節を行う器官でもあるため、自律神経に乱れが生じるとお腹が空いている状態になってもその信号が中枢神経に上手く伝達されなくなり、食欲が低下してしまいます。
そして、これらの状態を生み出す原因とされているのが、疲労の蓄積やストレスと言われています。
体が極端に疲れている、もしくは過度のストレスを感じていると自律神経や摂食中枢・満腹中枢の働きがおかしくなり、食欲不振になりやすいと言われています。
食欲不振の時の症状は?
食べたいという気持ちはあるのに、食事を前にしても箸が進まない・・。
食べようと思うと胸やけがして食べられない・・。
食べたいという気持ちすら起こらない・・。
食欲不振と一言で言っても、その症状は様々にあります。
とは言え、一日中仕事が忙しくて帰宅後疲れ切っていて食事をする気にもならなかった、というケースや、悲しいことがあって食事が喉を通らなかった、という経験は誰にでも一度くらいはあるものです。
1日~数日程度このような状態になったからといっても、それが一時的な場合は特に問題視することはないでしょう。
しかし、上記のような状態が数日~数週間続いている場合は、食欲が沸かない原因を突き止める必要があります。
食欲不振をもたらす病気は何かあるの?
食欲が落ちると、一番に考えるのは胃の病気ではないかということではないでしょうか。
実際、胃炎や胃潰瘍、胃がんなどを患うと食欲不振の症状が出ますし、胃に限らず食べ物の通り道である食道や腸でも同じことが言えます。
特に腸の場合は、便秘がひどくなると腸が便でいっぱいになって塞がってしまうため、胃の動きが悪くなって食欲不振になることもあります。
また、直接食べ物が通る胃や腸以外でも、一見何の関わりもないように思える肝臓や膵臓などの消化器や、腎臓、肺、心臓などの臓器が何らかのダメージを受けている場合にも、食欲不振の症状は現れます。
さらに、ホルモン異常や関節リウマチといった病気でも食欲不振になるケースが多いので、食欲不振はあらゆる病気の症状として出るものとして認識しておいた方がよいかも知れません。
食欲不振の時の効果的な解消法は?
食欲不振の原因が、胃や腸を始めとする内蔵の疾患ではないと考えられる場合、少しの工夫で食欲不振を改善することができます。
疲労の蓄積や強いストレスを感じている時には、食事の前にぬるま湯を飲むのがよいでしょう。
ぬるま湯を飲むことで体温が上がりリラックスを促す副交感神経が働いて、胃腸の働きが高まります。
これと同様に、お風呂にゆっくり浸かる、マッサージを受けるなどもストレスを緩和し、食欲を取り戻す手助けとなります。
食欲不振に効果的な食べ物は?
食欲不振が軽い場合には、唐辛子などの香辛料を使った料理を食べると、胃が刺激され食欲が沸くことがあります。
日本では以前から食欲がない時には、しょうがやにんにくが多く使われてきました。
これらは、入っている成分が実際に食欲を増す働きがあるだけではなく、私達にはすでに「しょうがやにんにくは食欲を増してくれる」という擦り込みがあるため、それを食べることによって「これで元気になれる」という心理が働きやすいという側面があるからなのだそうです。
病は気から、という言葉もあるように、しょうがやにんにくの入った料理を食べることで胃腸の調子がよくなったように感じ、やがて本当に食欲不振も撃退してしまう、というわけです。
あまりにも食欲不振が続くときは病院は何科に行けばいいの?
食欲不振が続いて、病院へ行こうと思っても何科に行ってよいのかわからない、という方も多いと思います。
最近は、総合診療科と言って、全身のあらゆる部位を診てもらえる科があります。
そこでまずはチェックをしてもらい、食欲不振の原因がわかった段階で専門の科に移るのがよいでしょう。
もし、総合診療科のある病院が近くになければ、消化器科もしくは内科にかかるのがよいでしょう。
そこで原因が特定できなかった時には、心療内科や精神科を受診してみて下さい。
食欲不振の原因と解消法のまとめ
食欲不振は、わりと誰でもなりやすいことから軽視されがちですが、食欲がないというのは生きていく上で大きな問題であると自覚しましょう。
早い段階で原因を突き止め、対処することができれば症状も軽く済みますし、重大な病の早期発見にも繋がりますので、食欲不振が続く場合には病院で診てもらうようにしてくださいね。