ストレス性胃腸炎の症状の対処と食事の仕方!
人はストレスを受けると、体のあちこちに症状となって現れます。
頭痛や肩こり、不眠など、人によって様々ですが、特に多いのが「胃腸」だと言われています。
大きな仕事を任されたことによるプレッシャーや、苦手な人との関係に悩むと、胃がキリキリと痛くなったり食欲が落ちる、吐き気がするなどは現れるのが典型的なストレス性胃腸炎の症状と言えるでしょう。
また、ストレス性胃腸炎ではありませんが、失恋をした時に全く食欲が沸かなくなることからも、ストレスと胃には密接な関係があることが伺い知れます。
ではなぜ、人はストレスを感じると胃や腸に不快な症状が現れるのでしょうか。
そこで今回は、ストレス性胃腸炎について調べてみました。
目次
ストレス性胃腸炎とは?
ストレス性胃腸炎は、胃腸炎の一種です。
胃腸炎には、急性胃腸炎・慢性胃腸炎、そしてストレス性胃腸炎の3種類があり、急性胃腸炎の多くは細菌性胃腸炎とウイルス性胃腸炎の感染性胃腸炎と言われています。
また、慢性胃腸炎は急性胃腸炎ほど症状が重くはないものの、慢性的に胃腸炎が繰り返される疾患です。
長らく、加齢による胃粘膜や腸の老化が原因とされていましたが、最近は「ピロリ菌」が関係していることがわかっています。
そして、ストレス性胃腸炎はストレスが原因で起こる胃腸炎です。
急性胃腸炎とよく似た症状で激しい下痢や嘔吐が起こりますが、内視鏡検査などで原因を調べても特定できず、何度も繰り返すのが特徴です。
また、器質的疾患がない(検査をしても身体的に原因と思われるものがない)にも関わらず起こる胃腸炎を、1990年頃からアメリカの学会では「機能性胃腸症(機能性胃腸障害・機能性ディスペプシア)」として提唱され始め、ストレス性胃腸炎もこの概念に含まれています。
ストレス性胃腸炎の症状は?
ストレス性胃腸炎の症状には、主に以下のものが挙げられます。
- 吐き気や嘔吐
- 胸やけ
- 胃やみぞおちの痛み
- 食欲不振
- 食べてもすぐ満腹になる、胃の膨満感
- 食後に胃がもたれる感じがする
- 空腹時に胃がキリキリする
- 下痢
- 薬を飲んでも効果が現れない
ストレス性胃腸炎の場合、ストレスの元と関わりを持つことで症状が出る傾向があります。
例えば、会社の上司によるパワハラがストレスになっている場合、怒られているわけではなくても顔を見るだけで吐き気や胃の痛みといった症状が出るようになります。
さらに症状が悪化すると、会社へ行くと思っただけで吐き気や下痢の症状が現れることもあります。
また、ストレス性胃腸炎の症状自体がストレスとなることで、負のスパイラルに陥りやすいのもこの病気の特徴と言えるでしょう。
ストレス性胃腸炎の時の対処法は?
ストレス性胃腸炎の時の対処法は、できるだけ早くストレスを緩和することが大切になります。
そのため、「胃腸の調子がおかしい」と気付いた段階で、ストレスが原因かも知れないと認識し、休息を取るようにしましょう。
気分転換に旅行に出掛けたり、趣味に没頭する時間を作るのもよいですね。
最も手っ取り早くストレスを解消するなら、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かる入浴もおすすめです。
また、すでに胃腸症状がある場合はカップ一杯の牛乳を飲むことをお勧めします。
この時、冷たい牛乳は胃腸を刺激してしまいますので、温めたホットミルクを時間を掛けて飲みましょう。
牛乳にはトリプトファンと呼ばれるアミノ酸が豊富に含まれており、このトリプトファンがリラックス効果をもたらせてくれます。
牛乳があまり得意ではないという方は、好みの茶葉と一緒に煮出してミルクティーにしてみましょう。
なお、胃の痛みが強い場合は、体の右側を下にして寝ると痛みがやわらぐことがあります。
ストレス性胃腸炎のおススメの市販薬
ストレス性胃腸炎の症状は様々なため、全ての症状に効く市販薬というのは存在しません。
また、安易に市販薬に頼ることは、病気の発見を遅らせてしまうことにもなりかねませんから、ストレス性胃腸炎の症状がある場合にはすみやかに病院へ行って診察を受けることが大切です。
しかし、仕事や家事・育児などで忙しく病院へ行くタイミングがない、という方も多くいらっしゃいますよね。
そのような場合、あくまでも一時しのぎという形でやむを得なく市販薬を使用することもあると思いますが、胃もたれや胸のむかつき、吐き気、膨満感、食欲不振などの症状にお勧めなのがエーザイの「セルベール」です。
胃粘膜を増やす成分が入っており、刺激から胃を守ってくれます。
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ストレス性胃腸炎の時には、病院は何科に行けばいいの?
ストレス性胃腸炎の場合、ストレスが原因で胃腸炎症状が起こっていることから、心療内科へ行くのがよいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、場合によってはストレス性胃腸炎以外の病気の可能性も考えられますし、別の病気を併発しているケースもあり得ます。
そのため、まずは内科や消化器科、胃腸科にかかり、胃カメラや大腸カメラなどで病変がないかきちんと確認しておくことが大切です。
その上で、胃腸炎症を起こす原因が特定されなかった場合は心療内科へ行くのがよいでしょう。
勿論、内科や消化器科でも「ストレスが原因の胃腸炎の可能性」と診断された場合には、それに伴う薬が処方されることから、薬を飲むことで症状が改善することもあります。
ストレス性胃腸炎の時のおすすめの食事は?
ストレス性胃腸炎の時には、なるべく胃腸に負担を掛けないようにするため消化によい食べ物を食べるのがよいでしょう。
中でも大豆製品は、栄養も豊富に含まれており昔から日本人にとっての健康食なのでお勧めです。
しかし、納豆は固くて消化がよくないため食べるのは避けた方がよいでしょう。
大豆製品の中でも、食べやすく特にお勧めなのが豆腐なのですが、冷奴は胃腸を冷やしてしまうため刺激になるので湯豆腐にするのがよいでしょう。
また、脂っこい物や塩分の高い物など、胃腸を刺激するものは避けるようにし、空腹時に胃が痛む時は温かい牛乳やヨーグルトを少しずつ摂ってみましょう。
ちなみに、ヨーグルトも冷たいままよりも温めて食べた方が胃腸への負担を減らします。
ストレス性胃腸炎のまとめ
胃や腸の痛みというのは、比較的多く見られる症状なため、つい「そのうち治るだろう」と放置してしまう方も多いと思います。
しかし、慢性的に胃炎や腸炎が続くと、ガンなどの重大な疾患を発症させる原因となってしまいますので、「おかしいな」と感じたらできるだけ早く病院で診てもらうようにしましょう。
また、カフェインの過剰摂取や香辛料を大量に摂ることも、胃腸を弱める原因となってしまいます。
ストレスを多く感じている自覚がある方は、日頃から食生活を見直してなるべく胃腸への負担を軽減させることも、ストレス性胃腸炎の発症を防ぐ方法と言えます。