膝の痛みの症状や原因別の治し方や改善方法!
ソファーに座ってテレビを見ていた時、何気なく立ち上がったら膝に痛みが走った。
スポーツをしている時、一瞬だけ刺すような痛みが膝にあった。
このような経験は、多くの方がしているのではないでしょうか。
そして、殆どの方が「そのうち治る」と大した気にも留めません。
確かに、数時間から数日で痛みが引くこともありますが、実はそのちょっとした痛みが引き金となって、膝への負担が大きくなり、やがて大きな痛みに繋がっていく可能性もあります。
では、膝の痛みを感じたら、どのように対処すればよいでしょう。
また、膝の痛みが起こる原因や症状は、一体何なのでしょうか。
目次
膝の痛みの症状は?
膝の痛みと一口に言っても、その症状は多岐に渡ります。
1.膝の動きがおかしい
膝の曲げ伸ばしに窮屈さを感じたり、実際に思うところまで曲げ伸ばしができない、膝を動かした時に何かが引っ掛ったような感覚がする、こわばってしまい動かしにくい、膝が動かなくなってしまう、といった症状が現れます。
2.膝に力が入らない
歩いている時や階段を上っている時に、いきなりガクンと体が倒れてしまうことがある、膝がグラグラとしてまっすぐ立っているのが困難に感じることがある、膝が本来の位置からズレたり外れたりするような感覚がある、といった症状が現れます。
3.膝に水が溜まって腫れる
膝の皿を押した時、固くなくやわらかい感じがする、皿が浮いているような感覚がある、常に膝に怠さや重さを感じる、といった症状が現れます。
4.膝から音が聞こえる
立ったり座ったりなど、膝を動かすとコキッやコツッのような音が聞こえる、膝がギシギシときしむような感覚やゴリゴリと骨が擦れているような感覚がある、といった症状が現れます。
5.膝の周辺が腫れる、コブができる
膝の皿や裏といった周辺の皮膚が盛り上がって腫れたり、骨のように硬いコブができる、といった症状が現れます。
6.膝以外の関節の腫れや痛みが起こる
膝以外に、手首や足首、指などが腫れ、強い痛みを起こす症状が現れます。
7.膝蓋骨の亜脱臼
膝の外側に強い力が掛かることによって、膝蓋骨が外側に外れてしまうという症状が現れます。
8.風邪のような症状が出現する
発熱、全身の倦怠感、鼻水、くしゃみ、喉の痛みといった風邪症状が現れます。
膝の痛みの原因は?
膝の痛みの原因には、一体どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、膝の内側に痛みが起こる場合、外側に起こる場合、裏側に起こる場合に分けてご説明したいと思います。
内側の場合
膝の内側が痛い場合、スポーツなどによって強い力で膝を捻ってしまったことによる、靭帯の損傷が原因と考えられます。
特に、内側側副靭帯は太ももの大きな骨や筋肉と繋がっていることから、捻挫や断裂を起こしやすいと言われています。
また、膝関節にある軟骨が老化によってすり減ると、膝の内側に痛みが出やすくなります。
外側の場合
膝の外側が痛む場合に考えられる原因は様々にあるのですが、特に多いのはスポーツによって繰り返し膝への負担が掛かることで、筋肉が疲労することで起こると言われています。
また、スポーツ以外にも仕事で長時間同じ体勢を続けていたり、あぐらをかくなども膝の外側に負担を掛けやすくなってしまいます。
裏側が痛い場合
膝の裏側が痛い原因として最も多いと言われているのが、「反張膝」です。
反張膝とは、立った状態の時膝が反ったりぴんと張った状態になっているため、おのずと膝の裏側の筋肉が酷使され痛みを引き起こします。
反張膝は、歩く際につま先を持ち上げる癖のある方や、立っている時に片方の足に重心を掛ける癖のある方がなりやすいと言われています。
膝の痛みを感じたら疑うべき病気は?
膝の痛みを感じた時、多くの方は「ちょっと無理して歩いたせいだから、数日休めばよくなるだろう」と放置してしまうのではないでしょうか。
しかし、膝の痛みには病気が原因の可能性もあります。
特に、痛みが慢性的に続いている場合や、痛みが強い時は病気を疑って早めに病院へ掛かるようにしましょう。
では、膝が痛くなる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。
1.変形性股関節症
変形性股関節症は、年齢を重ねた方に多い病気です。
男性よりも女性の発症率が高く、特に閉経を迎えた女性に多いと言われています。
変形性股関節症は、膝関節にある軟骨が加齢と共にすり減ってしまう病気で、最初は朝起きた時に膝の違和感がある程度で、痛みがあってもすぐに治まってしまう場合が殆どです。
それが徐々に進行すると、膝の曲げ伸ばしがしにくい、正座ができない、といった症状からやがて歩行困難になってしまうケースもあります。
2.大腿骨顆部骨壊死
原因が不明と言われている病気ですが、中高生の女性に多いと言われています。
膝関節に密接している大腿骨の先端が壊死することで痛みを引き起こす病気で、安静にしている時でも強い痛みを発生させるのが特徴です。
3.関節リウマチ
膝の他にも足首や手首、肘、指といった全身のあらゆる関節が痛んだり、こわばったりする病気です。
膝の場合、片方だけに出現するのではなく両膝が同時に痛みや腫れが起こり、安静にしている時でも症状が強く出ることが多いようです。
膝が痛い時にサポーターは効果があるのか?
膝に痛みを感じると、その痛みを和らげたり膝関節の動きをサポートするという意味で、サポーターを使う方は多いのではないでしょうか。
膝にサポーターをすることで、膝の靭帯や筋肉へ掛かる負担を少なくし、痛みを軽減することは可能です。
ただし、膝や痛みの症状に合ったサポーターを装着することが大切ですので、購入する際にはできれば実際に付けてみて膝を動かしてみるのがよいでしょう。
固定する力が強すぎて膝の動きに柔軟に対応できないものや、膝にサポーターが当たってさらに痛みを引き起こしてしまうものを選んでしまっては、膝の痛みを抑えるどころか返ってストレスの原因となってしまいます。
また、夏は気温や湿度が高く、サポーターの中が蒸れやすい状態になることから、蒸れを防止する素材を使っているかチェックしましょう。
膝の内側が痛い時に効果のあるストレッチ
1.片足を台座や椅子の上に載せます。
2.そのまま体を前の方に倒し、10秒キープします。
3.次に、載せている足と反対の足の方向へ体を倒して行きます。右足を椅子に載せているなら、左の方向へ体を倒しましょう。これも10秒行います。
4.最後に、片足を椅子の上にまっすぐ伸ばして上げ、つま先を内側に向けて、その状態で体を前に倒します。
5.10秒行ったら、足を下ろして終了です。
膝の外側が痛い時に効果のあるストレッチ
1.床に仰向けに寝て、膝を立てます。(左の膝の外側が痛いと仮定した状態で施術の説明を行います)
2.膝をつけたまま、足を右側に倒します。上半身は右を向かず、天井を見るようにして下さい。
3.左足を少し後ろに引き、右足の足首を左足の膝の外側に載せます。
4.右の足首で左の膝を真下の方向へ押しましょう。
5.これを30秒行って下さい。
6.30秒終わったら元の位置に足を戻し、足を伸ばして少し休憩を挟んで再び30秒、休憩をして30秒(計3セット)行います。
7.3セット終わったら、両膝を左右に10回倒して体を解し、終了です。
膝の裏側が痛い時に効果のあるストレッチ
1.片方の足を伸ばし、もう片方の足は曲げて体を下ろします。
2.体を安定させるため、両手は体の前に突きます。
3.この状態から、伸ばした方の足のつま先を上に向けます。これを20秒行ったら、今度はつま先を伸ばした状態にして20秒行います。
スポーツやジョギングやランニングで膝が痛い時の改善方法
スポーツをしていると、飛んだり走ったり着地をしたり急に止まったり、と常に膝を使う動作が多くなります。
また、健康のためにとジョギングやランニングを始めたにも関わらず、膝に痛みが出てしまい中断を余儀なくされたというのは割りとよく聞く話ですよね。
さらにスポーツ中は、突発的なアクシデントによって怪我をするケースも多いため、スポーツと膝の痛みは切り離せないものと考える方もいらっしゃるでしょう。
では、スポーツが原因で膝が痛い場合は、どのような対処法をとるべきなのでしょうか。
まず、痛みが強い場合は休息をとることが大切です。
痛みが慢性的になると症状が悪化してしまう恐れがあることから、無理をしないようにしましょう。
その上で、運動の後は必ずクールダウンを行い、さらにマッサージで血行を良くすることで、筋肉疲労を軽減し怪我の防止ができます。
加えて、運動と並行して筋力のアップに努めたり、栄養バランスの摂れた食事を摂ることで、膝周辺の筋肉を強化して膝の負担を軽くすることができます。
自転車に乗った時に膝が痛い時の改善方法
自転車に乗った時に膝に痛みを感じたら、どのように対処したらよいのでしょうか。
●膝の内側が痛い
内股で自転車を漕いでいる可能性があります。内股を止めるようにしましょう。
●膝の外側が痛い
O脚やガニ股の方が自転車を漕ぐと、膝の外側に痛みを感じるケースが多いようです。
O脚やガニ股にならないように意識して、自転車を漕いでみましょう。
●膝の前が痛い
サドルが低すぎたり、ギアが重すぎる可能性があります。
サドルの位置をもう少し高く設定し、ギアを軽くしてみましょう。
●膝の裏側が痛い
サドルが高い、もしくはかかとを下げて漕いでいる可能性があります。
サドルの位置を低くするか、かかとを上げるように意識して漕いでみましょう。
産後の膝の痛みの対処法は?
出産後、母乳で育児をしている場合、母乳に体内のカルシウムが使われるため、お母さんは慢性的なカルシウム不足に陥りやすくなります。
カルシウムが不足すると、膝の軟骨が硬くなってすり減ってしまい、痛みを発生させることがあります。
また、赤ちゃんを抱いて座ったり立ったりの動作が多くなるため、産後のお母さんの多くが膝の痛みに悩んでいると言われています。
このような場合、毎日の生活の中でなるべく膝に負担を掛けないように過ごすことで、痛みを軽減することができます。
例えば、床に直座りせず椅子に座ることで、膝に掛かる負荷は少なくなりますよね。
この他にも、トイレは和式ではなく洋式を使うようにしたり、拭き掃除の際は膝を床に着かず、立って行えるモップを使うといった工夫も必要です。
さらに、カルシウムが多く含まれる食品を意識して摂ることも大切です。
子供の膝の痛みの対処法は?
子どもが膝の痛みを訴えた場合、多いのは「成長痛」です。
文字通り、成長に伴う膝の痛みなのですが、通常この成長痛は3~10才頃に起こり、夕方から夜に痛みが強くなる場合が多いと言われているので、この年齢に該当せず、かつ痛みが長引いている場合は、他の原因が考えられるため念のため病院を受診するようにしましょう。
なお、成長痛の場合は、痛む場所を擦ってあげたり温めてあげることで、痛みが軽減することがあるようです。
また、単に体の成長というわけではなく、心の成長に伴ってストレスや不安を感じている時に、それが膝の痛みとなって現れるケースもあるそうです。
このような時は、親としてゆっくりと子どもの話を聞いてあげる姿勢を持つことも大切です。
膝が痛い時に効果のある「ツボ」
1.膝のお皿の上にある「鶴頂」を押しましょう。
2.押す時に、お皿の外側を指の腹で擦るように押すのがポイントです。
3.お風呂に入った時などに、お皿を手の平で包み、上下左右に擦って動かしてあげるのもよいでしょう。
膝の痛みの治し方!病院は何科がいいの?整体や整骨院はどうなの?
膝に痛みがある場合、病院へ行くべきか接骨院や整体に行くべきか悩む方は多いと思いますが、やはり病院へ掛かるのが最も確実で安心と言えるでしょう。その際は、整形外科を受診します。
なぜなら、病院ではレントゲンなどの検査が行われ、病気や怪我の原因をしっかりと調べることができるからです。
一方、接骨院の場合は、膝の痛みの原因が「骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷」によるものと判明した上でなら、その治療を行うことができますが、レントゲンなどの検査施設がないため病気や怪我の根本的な原因を突きとめることができません。
万が一、接骨院や整体での診断が間違っていたら、病気や症状の悪化が起こる可能性があります。
このようなことから、最初に病院へ行き、原因がしっかりとわかった上で、接骨院や整体などを自分の判断で選ぶのがよいと思います。
膝の痛みの原因や症状と改善方法!ストレッチやツボは効果的か?のまとめ
膝の痛みは、多くの方が抱えているものですが、人によってその原因は様々です。
膝の痛みが強い場合や、長く続く時は「きっと疲れただけだろう」「少し歩き過ぎたのかも知れない」と自己判断せず、必ず病院へ掛かって、その原因をきちんと調べてもらうことが大切です。