グルタミンを多く含む食材や食品と効能・効果や摂取量の目安!
グルタミンと聞いて思い出すのが、昆布などに含まれる〝グルタミン酸〟ではないでしょうか。
甘味・酸味・苦味・塩味に次ぐ5番目の味である「旨味(うまみ)」の代表的な存在がグルタミン酸ですが、今回ご紹介するグルタミンとグルタミン酸は構造が似ているものの、効能や効果に違いがあるものです。
では、グルタミン酸とは違うグルタミンとは、一体何なのでしょうか。
そこで今回は、グルタミンの効能や効果、グルタミンが多く含まれる食品について調べてみました。
目次
グルタミンの効能・効果と役割
グルタミンは、私達が生きる上で欠かすことのできないアミノ酸の一種です。
非必須アミノ酸のため体内で合成することができ、昆布などの旨味成分で知られるグルタミン酸とアンモニアに酵素が働くことによって合成されます。
グルタミンの体への役割
グルタミンは筋肉に多く存在し、筋肉内の30~50%のアミノ酸がグルタミンとなっています。
そのため、筋肉の修復や成長に関わっており、運動後の筋肉疲労を回復に役立つだけではなく、筋肉を作る役割を担っています。
筋肉量の低下を防ぐ
運動などで筋肉を使うと、筋肉内のたんぱく質の分解が進みグルタミンが放出されますが、その際にグルタミンを補給することで筋肉が減ってしまうのを防ぐことができます。
胃腸粘膜の保護
グルタミンには、胃腸の粘膜を形成する細胞の合成を促進する働きがあることから、食物の消化や吸収を助けてくれます。
また、細菌やウイルスといった病原体の侵入を防ぐ効果があります。
免疫力を高める
グルタミンには細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きがあることから、免疫力を高め感染症などにかかりにくくなる効果が期待できます。
疲労回復効果
グルタミンは腸の働きを活発にするため、食事などによって摂りこんだ栄養の消化・吸収が高まり、疲労を早く回復する効果があります。
アルコールの代謝を促す
最近の研究で、グルタミンには肝臓の機能をアップさせてアルコールの代謝を促す効果があることがわかっています。
グルタミンが不足すると…
体内のグルタミンが不足すると、胃腸の消化器官の活動が低下するため、消化不良を起こしやすくなると言われています。
また、食べたものがきちんと消化・吸収されなくなると、エネルギーが足りなくなって慢性的な疲れを感じるようになったり、風邪などを引きやすくなると言われています。
グルタミンの摂取量の目安は?
グルタミンの摂取量は、一日40g以下となっています。
それ以上摂取すると、肝臓に負担が掛かってしまうことから、過剰摂取にならないように注意しましょう。
ただし、通常の食事をしている分には、過剰摂取を起こすことは殆どないようです。
グルタミンが多く含まれる食品や食べ物15選
グルタミンは、次のような食品に多く含まれるとされていますが、加熱したり酢を加えると変性してしまうことから、せっかく多く含まれていても十分な量を摂取できない場合もあります。
グルタミンを効率よく摂るなら、できるだけ生の状態で食べられるものを選ぶのがよいでしょう。
アーモンド
最近はダイエットフードとしても注目を集めているアーモンドは、手軽にそのまま食べられるのでグルタミンを効率よく摂取することができます。
小麦粉
小麦粉には多くのグルタミンが含まれていますが、パンやうどん、パスタなどに加工しなくては食べられないため、実際には含有量はかなり減ってしまいます。
海藻類
海藻類にもグルタミンが含まれています。
海藻は生のままサラダにして食べることもできるため、グルタミンの摂取にはよいですが、ドレッシングに酢が使われていると変性してしまうので注意しましょう。
かつお節
旨味の豊富なかつお節は、主に出汁を摂るときに使われますが、たこ焼きやお好み焼きのトッピングやご飯のふりかけとして食べるとグルタミンを上手に摂取できます。
きな粉
大豆には多くのグルタミンが含まれていますが、きな粉にすることでより手軽にグルタミンを摂ることができます。
しらす干し
半乾燥させたしらす干しには、グルタミンの他にも多くのアミノ酸が含まれています。
肉類
肉類は全般的にグルタミンが多く含まれている食品なのですが、生食が難しいことから摂取量としてはそれほど多くはなりません。
サトウキビ
サトウキビにはグルタミンが含まれていますが、一般的に流通しているものではないため、摂取するのはやや難しい食品と言えます。
魚介類
魚介類にもグルタミンが含まれていますが、特にホタテなどの貝類に多く含まれています。
高野豆腐
高野豆腐は煮物によく使われる食品ですが、グルタミンが多く含まれています。
チェダーチーズ
チェダーチーズには、多くのグルタミンが含まれていますが、多くの場合加熱調理後に食すため、実際の量よりも摂取量は減ってしまいます。
蟹
蟹はグルタミンの含有量が多い食品ですが、茹でや焼きで食べることが多いため、摂取量としてはそれほど多くはなりません。
卵
卵の場合も、卵かけご飯として食べる方法もありますが、殆どが加熱調理によって食べられることから、グルタミンの摂取量としてはそれほど多くはなりません。
牛乳
乳製品はグルタミンが多く含まれるのですが、中でも牛乳はそのまま飲むことができるので、グルタミンを摂取しやすい食品と言えます。
トマト
野菜の中では、トマトに多くのグルタミンが含まれています。
トマトは加熱調理でも食べることができますが、グルタミンの摂取を考えるなら生のまま食べるのがよいでしょう。
グルタミンが多く含まれる食品や食材と効能・効果!のまとめ
グルタミンは、体内で合成されるアミノ酸のため、是が非でも食事から積極的に摂取する必要はありません。
しかし、ダイエットなどで極端な食事制限をしていると、グルタミンの量が減ってしまい体調不良などの症状が現れることがあります。
栄養バランスを考えた食事をすることで、普段の食事からでも十分にグルタミンを摂取することができるようなので、過度なダイエットは慎み、健康的な方法で痩せるようにしましょう。
なお、運動によるダイエットを行う時はグルタミンは筋肉疲労を回復してくれるので、とても効果的です。