夏バテの症状と解消法や食事対策!
夏が暑いのは当たり前のことですが、それにしても近年の異常気象は度を超えているようにも思えます。
最高気温が40度を超えました、とニュースで聞くたび「ここは日本だよね?」と耳を疑ってしまいたくなることもしばしば。
40度は稀かも知れませんが、連日の35度超えというのはもはやそれほど驚かない領域になってきているのではないでしょうか。
単純に考えて、お風呂の最適温度は36~40度と言われているので、外にいる時は常にお風呂に浸かっている状態と同じこと。
いくら長風呂が好きな人でも3時間も6時間も入っていることは不可能ですが、今の日本の夏の環境はそれと近しい状態にあるということです。
こうなれば当然、体調に不調をきたすのも当然と言えます。
熱中症で救急搬送される人の数は年々増加傾向にありますから、他人事には考えられない現実がそこにありますが、熱中症のように重要視されていないものの、夏によくある「夏バテ」も注意を払って対策をしなければいけません。
ではそもそも、夏バテとはどのような症状を指すのでしょうか。
また、夏バテをしないための対策とは一体何があるのでしょうか。
そこで今回は、夏バテの症状や対策、解消法などについて調べてみました。
目次
夏バテの原因は?
夏バテを引き起こす原因は、大きく分けて以下の3つになります。
①水分不足によるもの。
②高い気温によって汗の調整が上手くいかなくなり、体温が体の内にこもることで様々な弊害が起こる。
③外気(気温)と内気(エアコンの効いた室内)を出入りすることで、自律神経が乱れ、それが原因で体調不良に陥る。
水分不足による夏バテは、多くの場合失った水分量に対し補給する水分量が足りないために起こります。
また最近は、汗をかくのが恥ずかしいからと水分の摂取を控える方も多いようですが、汗をかかなくなると体温調整が行えなくなるため、夏バテになってしまうので注意しましょう。
さらに、通常人は体温が上がると汗をかいて皮膚表面から汗を蒸発させることで体温を下げます。
しかし、外気温が高すぎると汗が上手く蒸発せず、体温が下がらなくなってしまうのです。
このため、疲れやすい、体が怠いなどの症状が現れます。
そして、外と建物の中の温度が違いすぎることも夏バテの原因となり得ます。
これは自律神経が、外にいる時はその暑さに慣れようと働き、建物内に入ると今度はエアコンで冷えた室内に体を慣れさせようとして働きます。
それを幾度となく繰り返しているうちに自律神経が乱れてしまい、夏バテと思われる症状を引き起こしてしまうのです。
夏バテの症状はどういうものがあるの?
夏バテの症状としてよく挙がるのが、食欲不振です。
食欲不振は、暑さのため冷たい物を摂りすぎることで胃腸が冷え過ぎ、また水分を多く摂ることで胃液が薄まってしまうことから消化機能が低下して引き起こされると言われています。
また、夏バテに多い症状では倦怠感も見逃せません。
夜になっても気温が下がらず熱帯夜になると、なかなか寝付けなかったり寝ても汗をかいてすぎに起きてしまうことから慢性的な睡眠不足になりやすいため、体の怠さを訴える方が多いようです。
この他、頭痛、腹痛、立ちくらみやめまい、微熱など、一見風邪とよく似た症状が現れますが、咳や喉の痛みなどがないため夏風邪と夏バテは区別されます。
しかし、夏バテで体が弱っていると、風邪を始めとした感染症にもかかりやすくなってしまいますので注意することが必要です。
日常生活でできる夏バテの予防法は?
実は最近の夏バテは、高い外気温が原因のものではなく内外の温度差による自律神経の乱れによるものの方が多いと言われています。
そこで、室内でエアコンを使う場合には、その使い方に注意をするだけで夏バテになる確率を減らすことができます。
①エアコンの風は直接体にあてないようにしましょう。
②外気温と室内の温度の差を余り作らないようにしましょう。
外と室内の温度差は5度以内が望ましいと言われています。これを実践するだけで、帰宅・帰社した時や外出時に温度差による自律神経の乱れを抑止できます。
③除湿機や扇風機を併用しましょう。
エアコンから出る涼しい風を効率よく室内に回すために扇風機を使うとよいでしょう。また、暑さを感じるのは気温だけではなく湿度も関係しているので、ジメジメしている時は除湿機を使用するのも効果的です。
この他にも、睡眠をしっかり摂る、規則正しい生活を心掛ける、バランスのよい食事を摂る、などでも夏バテを予防できますので、積極的に取り入れていきましょう。
夏バテを解消する食事法で対策を!どのような食事がいいの?
暑い日が続くと、ついさっぱりとした食べ物を選んでしまいがちですが、そうめんやうどんなどの口当たりのよい物ばかりを食べていると、当然ながら栄養バランスも偏り、返って体が疲れやすくなってしまいます。
夏バテにならないような食事を一例として挙げるなら、疲労回復に優れたビタミンB1を多く含んでいる豚肉やたんぱく質の多い鶏肉を食べるのがよいでしょう。
しかし、暑い時に長時間火を使う料理は避けたい・・というのが本音ですよね。
そこで、そうめんやうどんを食べる時は、麺とめんつゆだけではなく、そこに多くの薬味を添えてみましょう。
梅干しには、疲労の元となる乳酸を分解するクエン酸が多く含まれていますし、大根おろしには消化酵素のアミラーゼが含まれているため、弱った胃腸の働きを助けてくれます。
また、シャクシャクとした歯ごたえと独特の香りがたまらないみょうがには体を冷やす作用があるため、夏には欠かせない食材ですし、たんぱく質が豊富な卵は夏バテの予防だけではなく回復食としても使えます。
さらに、納豆やオクラ、長いもに含まれるムチンは、胃腸の粘膜を保護してくれるなど、効果や効能がたくさんあります。
そして、何と言ってもこれらの食材は火を使わないで調理することができるのが利点です。
ただのそうめんやうどんも、このように薬味を多く使うことでたくさんの栄養素が摂れるので、夏バテの防止や解消に持ってこいだと思います。
夏バテ防止や解消に効く「ツボ」は?
夏バテの防止策や解消法は様々ありますが、「ツボ」を知っておくと、いざ困った時に役立つのではないかと思います。
夏バテの防止や解消に効くツボはいくつかありますが、今回はその中の3つをご紹介したいと思います。
●湧泉・・・足の裏の土踏まずの部分の、やや指寄りのくぼみにあります。親指やペンなどでちょっと痛いと感じるくらい強く押すのがよいでしょう。このツボは体に元気が湧くツボと言われているので、夏バテの時だけではなく、ちょっと疲れたなと思う時に押しても効果があります。
●足三里・・膝から指4本分下りた部分の脛の外側にあるツボです。指で押し揉むように2~3分ほど力を入れてツボを押して下さい。食欲不振に効果があります。ちなみに足三里とは、三千里(約12km)歩いても足が疲れないと言う意味があり、体力の回復やパワーを引き出してくれるツボです。
●三陰交・・内側のくるぶしから指4本分上がった部分で、骨の後ろあたりを押すと痛く感じるところです。冷えによく効くツボと言われており、生理痛やむくみなどにも効果があります。
夏バテが原因で引き起こす病気は?
夏バテは、暑さによる睡眠不足や倦怠感が引き金となって、やがて、消化器系の不調→食欲の低下→体力が落ちる→感染症にかかりやすくなる、のようなサイクルがあります。
特に風邪は引きやすくなりますので、十分注意する必要があります。
また、夏バテは自律神経が乱れるため、それに関連した病気にもなりやすくなってしまいます。
例えば、「うつ病」や40代以降の女性の場合では「更年期障害」も夏バテが発端となって症状が現れたり、悪化しやすいと言われています。
特にうつ病の場合は、夏バテと症状が酷似しているために、夏バテだと思い込んでいて見つけるのが遅くなると、それだけ回復するまでにも時間を要してしまいます。
夏バテの防止や解消法をしていても、2週間以上体調が優れない、どんどん気が滅入ってしまうなど、おかしいと思うことがあれば、病院へ行くことをお勧めします。
夏バテ解消のまとめ
夏バテは、暑さと自律神経の乱れが引き起こす症状なわけですから、誰もがなってしまう可能性があると言えます。
しかしその一方で、夏バテになりやすい人となりにくい人というのは確実に存在しています。
なりにくい人の多くは、日頃から食生活に気を遣い、早寝早起きで、適度な運動を心掛けると言った規則正しい生活を送っている人なのだそうです。
と言うことは逆に、夏バテになりやすい人というのは、好きな物ばかりを食べ、夜遅くまで起きていて朝もギリギリまで寝、運動は殆どしないという人なのではないでしょうか。
今年の夏を、元気に過ごすためには、まずは普段の生活をしっかりと見直してみてはいかがでしょうか。