アントシアニンの効果や効能
数年前、赤ワインがアンチエイジングや健康に効果があると話題になりました。
その時、赤ワインに含まれる「ポリフェノール」という言葉が有名になり、ポリフェノールは体によい成分という認識が一般的に定着しました。
しかしその一方で、赤ワインはアルコールのため万人が摂取するのはなかなか難しい面もありました。
そのような中、最近注目を集めているのが「アントシアニン」です。
そこで今回は、アントシアニンについて調べてみました。
アントシアニンとはどのような成分で、何に多く含まれているのか?
アントシアニンの効果や効能、サプリメントの選び方などをご紹介していますので、是非ご覧頂けたらと思います。
目次
アントシアニンって何?有効成分は?
アントシアニンとは、ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用を持つ成分です。
アントシアニンは食用植物に存在し、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリーなどのベリー類を筆頭に、アサイー、カシス、ブドウ、ナス、プルーン、ハスカップ、紫キャベツなどに含まれています。
これらに共通するのは、赤や青、紫といった色ですが、アントシアニンは植物が紫外線から実を守るための色素の成分であるため、紫外線に晒される時間が長いほどその含有量が増えていきます。
これは、ブルーベリーの一種であるビルベリーに、アントシアニンの含有量が多いことからもわかります。
ビルベリーは、北欧の一部に自生している野生種なのですが、夏になると一日中太陽が沈まない状態(白夜と呼ばれる)になります。
このため、常に紫外線から実を守る必要があるため、ビルベリーはアントシアニンを豊富に蓄えるのです。
アントシアニンの効果・効能について
人は、酸素を取り入れてエネルギーにする一方、取り入れた酸素をエネルギーとして使用した際に「活性酸素」というものを発生させます。
活性酸素は、少量であれば人体に有益に働くものの、大量に増えると生活習慣病やガンなどを引き起こす原因と言われており、老化にも深い関わりがあります。
活性酸素は、紫外線やストレス、大気汚染、添加物が含まれる食品の摂取などで増えると言われていますが、現在の私達の生活の中でこれらを完全に防ぐことはなかなか容易ではありません。
そのような中で注目されているのが、アントシアニンなのです。
アントシアニンは、この活性酸素の増加を防ぐ「抗酸化作用」が非常に優れています。
抗酸化作用とは、活性酸素の増殖を抑え、減らす働きのあることを指します。
病気の予防に役立つのは勿論ですが、髪や肌を若々しく保つ「アンチエイジング」にも強い効果を発揮し、シワやシミ、たるみと言った加齢と共に増える肌のトラブルを回避します。
また近年になり、アントシアニンは骨粗しょう症にも効果があるとの研究結果もあり、女性にとって嬉しい効果や効能が多いと言えるでしょう。
アントシアニンは、こんな人におススメです!
アントシアニンの持つ効果の中で、最も有名なのが「目」にまつわるものです。
「ブルーベリーを食べると目がよくなる」という話を聞いたことはないでしょうか。
これは、ブルーベリーに含まれるアントシアニンによる効果だと考えられています。
人が物を見る時には、網膜の中にあるロドプシンという物質が分解と再合成を繰り返すことで、その信号が脳に届けられるのですが、長時間のパソコン作業や読書などで目を酷使した場合、ロドプシンの働きが弱くなることで、かすみ目や目の疲れといった症状が現れます。
しかし、アントシアニンにはこのロドプシンの再合成を助ける働きがあり、疲れや視力の低下を回復する効果があるのです。
また、アントシアニンには毛細血管を強くし、コラーゲンを保つ働きもあるため、目の隅々にまで酸素が行き渡り、角膜や水晶体を保護するコラーゲンを安定させることで、目の疲れを素早くとることができると考えられています。
このため、パソコンなどのデジタル機器を長時間使用する方や、目をよく使う方、目の疲れを感じやすい方は積極的にアントシアニンを摂取するのがよいと言われています。
アントシアニンの科学的データ
日本より古くからアントシアニンを多く含むブルーベリーを食べていたヨーロッパでは、アントシアニンの研究も盛んにされており、その効果や効能を科学的に立証した上で現在では医療用として使用されています。
その一方、日本ではアントシアニンは医療用として使用されることはありません。
しかしそれは、日本の薬事法がヨーロッパに比べて極めて厳しいという理由があるためです。
とは言え、日本においてもアントシアニンの効果に関する研究が行われており、近い未来に科学的な根拠が立証され医薬品として使用される可能性は0ではありません。
アントシアニン・サプリメントの選び方や基準
アントシアニンが含まれるサプリメントの代表的な存在と言えば、やはりブルーベリーサプリメントではないでしょうか。
しかし、ブルーベリーサプリメントだからといって、何を選んでも同じというわけではありません。
せっかくアントシアニンを摂るなら、より含有量の多いものを選びたいですよね。
そのような時は、「ビルベリー」が配合されたものを選ぶのがよいでしょう。
ビルベリーはブルーベリーの一種なのですが、北欧の一部にしか自生しない野生種で、アントシアニンの含有量はブルーベリーに比べて約5倍と言われています。
また、アントシアニンサプリメントで最近注目されているのが、カシスサプリメントです。
カシスにはブルーベリーには含まれないアントシアニンが含まれており、目のピント機能の調整が低下する「ピントフリーズ現象」を改善する働きがあると言われています。
このように、アントシアニンサプリメントと言っても、原料の違いによって得られる効果が異なるため、「どのような効果を期待するか」によってサプリメントを選ぶことが大切です。
アントシアニンの摂り方や摂取量は?
アントシアニンの効果は、服用後2~4時間で現れ、24時間以内に消えると言われています。
そのため、サプリメントなどを服用する場合は毎日摂取するのが望ましいと言えるでしょう。
目が疲れているからと言って一度にたくさんの量を飲むよりは、毎日欠かさず飲む方がより効果が得られやすいと考えられます。
また、毎日同じ時間に飲む方が高い効果を得られやすいとの研究結果もあるため、出勤前に飲む、出社後に飲むなど、それぞれのペースに合わせて習慣にするのがよいでしょう。
アントシアニンの副作用について
アントシアニンは、ブルーベリーなどの食物に含まれる成分のため、摂取することで副作用があるという報告はないと言われています。
ただし、サプリメントで飲む場合は添加物などが含まれていることから、特に妊婦さんや授乳中の方は摂取に注意をする必要があります。
また、アントシアニンを含む食品を毎日過剰に摂取すると、胃が痛む、肌荒れがするなどの副作用が起こる可能性があります。
これは、アントシアニンそのものに問題があるのではなく、例えばブルーベリーであればタンニンが多く含まれているため、空腹時にたくさん食べることで胃痛を引き起こす恐れがあるのです。
このようなことから、体によいと言われていても適量を守るようにしましょう。
アントシアニンのまとめ
アントシアニンは、思っていたよりも多くの食品に含まれていることがわかりました。
毎日ブルーベリーを食べるのは難しいかも知れませんが、ブドウやナスなどの身近な食品であれば摂取しやすいですよね。
なお、ブドウやナスの場合アントシアニンは皮に含まれるため、皮を剥かずに食べるのがよいそうです。