セレンの効果や効能
「セレン」、この言葉を聞いて一瞬、何を想像しましたか?
私は、すみません人の名前かな?と思いました。
でもこの「セレン」で元素名だとすぐに結びつく人とそうでない人、半々くらいだと信じています。
この「セレン」について、今回勉強していきたいのですが、元素名の由来は、ギリシア語の月 (selene) に因んでいます。
1817年に発見された元素で、毒性の強い元素。
そして最近、人にとって必須の微量元素であるということが認識され始めた元素、しっかり勉強する必要があるという訳です。
目次
セレンって何?
では、気になる「セレン」。
このセレンは藻類、魚介類、肉類、卵黄に豊富に含まれています。
実際に生活していく中で人間が不足してしまう心配はほとんどありません。
セレン抗酸化酵素の構成成分としていて、甲状腺ホルモンを活性化する酵素として、重要なミネラルなんです。
このセレン、生体内では、酵素やたんぱく質の一部を構成しています。
しかし、抗酸化反応の役割を持ちますが、毒性が強いという少し危険な問題も持ちます。
体内の必要量と中毒量の差が小さく、摂取には十分注意が必要。
セレンの必要性
ここまでお話すると少し、不安が漂うセレンですが、やはり体内には必要不可欠。
例えば日本で生活をしていくうえでは、不足の心配がないせれんですが、土壌に含まれるセレンが少ない地域も、世界にはあります。
すると、そこで克山病(心筋症の一種)というセレン不足で起こる欠乏症が指摘されるのが事実。
やはり体内にはセレンが必要になるということが分かりますが、先に申し上げたように、摂取を誤って取り過ぎという形になってしまうと、今度は爪の変形、脱毛、胃腸障害、肌荒れ、このような症状を招く恐れも隣り合わせです。
しかし、このセレン体内で抗酸化反応の役割があるといってもどのような効果をはっきしているのでしょうか?
セレンの効果・効能について
初めになんども、伝えていますが、取り過ぎは注意です。
セレンが果たす役割。
ガン予防
セレンの持つ、強力な抗酸化作用。
この強力な抗酸化作用、ガン発生や転移を抑えられると言われています。
特に肺がん、大腸がんと前立腺がんには効果を発揮。
チェルノブイリでは、甲状腺の異常予防のためにセレンが使用され、効果を発揮したとされています。
脳血栓・心筋梗塞予防
セレンが、体内の血圧に関わるホルモンに作用。
血管を拡張させたり、血液が固まるのを防ぎます。
その結果、脳血栓、心筋梗塞などの血栓症の発生を予防します。
活性酸素除去
体内の活性酸素の増加は、様々な病気を招く大きな原因になります。
活性酸素を抑える効果で知られるのは、ビタミンE。
このビタミンEは活性酸素増加前の段階で抑制効果を持ちますが、では、どうしても増加してしまった活性酸素は?そこでセレンが働きかけます。
セレンの場合、既に出来てしまった余分な活性酸素を直接分解。
ここで気付いて欲しいのが、発生前の抑制効果を持つ、ビタミンE。
そして発生後の対処の役割を持つセレンの同時摂取は、無敵だということです。
アンチエイジング効果
セレンの抗酸化作用で、老化の原因とされる活性酸素を分解。
肌や血管など、体のいたるところの老化を遅らせてくれます。
更年期障害改善
亜鉛やセレン、必須微量ミネラル。女性の大事な生殖生理作用に深く関わっています。
女性ホルモンのバランスを整え、更年期障害や、生理不順を改善。
セレンってどういう食べ物に多く含まれているの?
セレンは、魚介類、そして肉類に多く含まれています。
含有量の多い食品を紹介しますね。
- 干しエビ 650mcg
- 明太子 347mcg
- まぐろ 337mcg
- たらこ 275mcg
- うに 220mcg
- かき(生) 163mcg
- あんこう(キモ)150mcg
- かつお 130mcg
- いか 122mcg
摂取時には特別、注意が必要です。
セレン・サプリメントの選び方や基準
気になるサプリメントの摂取ですが、サプリメントで摂取が必要なほど不足するとは考えにくいです。
消費者の判断で摂るというレベルです。
セレンの摂り方や摂取量は?
では、摂取に注意が必要な「セレン」、一体どれくらいの摂取が望ましいのでしょう?
セレンに関しては、許容上限量も併せてまとめておきます。
【セレン所要量】
- 9-11歳の男性 :50mcg 女性 :45mcg
- 12-14歳の男性:55mcg 女性:50mcg
- 15-29歳の男性:60mcg 女性:45mcg
- 30-49歳の男性:55mcg 女性:45mcg
- 50-69歳の男性:50mcg 女性:45mcg
- 70歳以上の男性 :45mcg 女性 :40mcg
※ 妊娠中の場合、上記所要量に+7mcg
※ 授乳中の場合は、上記所要量に+20mcg
そして、しっかり意識して欲しいのが、「許容上限摂取量」です。
現在、14歳以下の場合は制限がありません、しかし目安は所要量ということを忘れてはいけません。
15歳以上の男女は、許容上限摂取量250mcg。
妊婦さん、授乳中も同じ、許容上限摂取量は250mcgです。
セレン含有量の多い食品を紹介していますので、参考にしながら上手に摂取しましょう。
セレンの副作用について
最後になります、そして繰り返しになります。
何度も申し上げますがセレンは毒性が強いもの。
そして体内に必要とされる必要量と、中毒量の差がとても小さいのです。
セレンから得られる効果は確かに素晴らしいもので、すすんで体内の摂取に心掛けたくもなるのですが、安易にサプリメントに手を出すのは危険。
【セレン過剰摂取から起こりうる症状】
- 爪の変形
- 脱毛
- 胃腸障害
- 下痢
- 疲労感
- 焦燥感
- 末梢神経障害
- 皮膚症状
そして、さらに深刻な問題にも繋がりかねません。
- 胃腸障害
- 神経障害
- 心筋梗塞
- 急性の呼吸困難
- 腎不全
セレンは、許容上限摂取量を、しっかり守り、所要量のセレンを体内に摂り込むことが大事です。
セレンの効果・効能や摂取量や副作用の心配はないの?のまとめ
いかがでしたか?少し不安の気持ちを抱かせる結果になってしまったかもしれません。
しかしセレンは所要量の摂取から、抗酸化作用を得ることが出来ます。
免疫機能を高め、発がん率が低下に力を発揮します。
そもそもセレンはぜんそく治療に用いられるものでもあり、疲労回復効果、老化予防も期待できます。
しかし、今回しつこいくらいに伝えてしまいました、「摂取時の注意」。
セレンの効果をしっかり体内で実感して欲しいから、だから注意をして下さい!という意図が伝わっていたら幸いです。
参考文献
- 日本人の食事摂取基準 2010年版:第一出版
- ミネラルの辞典:朝倉書店
- 専門領域の最新情報 最新栄養学 第8版:建帛社