末端冷え性の解消法や症状と対策!
手足の先が冷たくなりすぎて、ジンジンと痛い。
このような悩みを抱えている方は、以外と少なくありません。
手足の先、いわゆる体の末端が極端に冷える「末端冷え症」は、一体どのようにして起こるのでしょうか。
また、末端冷え症を軽減したり予防する方法はないのでしょうか。
そこで今回は、末端冷え症について調べてみました。
目次
末端冷え性とは?
末端冷え症とは、体の末端である手や足先が極度に冷たくなる状態のことを言います。
冬の寒い時期に、気温の低い外に長時間いたら、誰もが体温が下がって手や足先が冷たくなりますが、建物の中に入り、お風呂に浸かるなどすることで、通常、その冷えは解消されます。
しかし、末端冷え症の方の場合は、布団に入っても手や足先が氷のように冷たいままで、一向に温まらずに寝ることすらままならなくなることもあるようです。
また、気温の低い冬に限ったことではなく、夏でも厚手の靴下を履かないと外出できなかったり、クーラーの効いた室内では長袖やカーディガンを羽織らないといられないなど、末端冷え症の方は季節を問わず年中手足の冷たさを感じていることが多いようです。
末端冷え性の原因は?
末端冷え症になる主な原因は、血流の悪化だと言われています。
血液は、体の各組織や細胞へ酸素や栄養を届けるという重要な役割を行っていますが、同時に血液がスムーズに流れることで体温を保つという働きも担っています。
しかし、食生活やストレスといった様々なことが原因で血液がドロドロになると、心臓から送りだされた温かい血液が上手く流れなくなり、体の末端部分まで届かなくなります。
よく血行が悪くなると体が冷えると言われますが、それはこのような仕組みからです。
また、最近になって増えているのが、自律神経の乱れによる末端冷え症。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つがあり、どちらを優位に働かせるかは私達の意思ではなく、脳にある視床下部が指令を出しています。
そして、自律神経には体温を調節するという働きがあり、寒い時には皮膚表面の血行を敢えて悪くすることで体の中心の温度を保ったり、逆に暑い時は発汗を促すことで熱がこもるのを防いでくれます。
通常、これらは交感神経が優位になって行われますが、自律神経が乱れていると、外から中へ入り気温が上がったにも関わらずそのまま交感神経が優位な状態が続いてしまうため、いつまでたっても血流が悪く、手足が冷えたままになってしまいます。
末端冷え性になりやすい人の特徴や共通点
末端冷え症で悩んでいる方を見てみると、ある共通点を見つけることができます。
それは、「筋肉がないこと」。
筋肉がないということは、体内で熱を生成することができないということです。
そのため、体内はいつも冷えた状態になってしまい、慢性的な冷え症の原因となってしまいます。
その中でも、ふくらはぎの筋肉は血液を温める熱を産み出すのと同時に、心臓へ血液を送り返すという働きもあることから、筋肉が少ないとその役目をしっかりと果たすことができず、冷えの原因となる血行不良を招いてしまいます。
このため、過度なダイエットをしている方や、運動不足の方は末端冷え症になりやすいと言われています。
また、若い女性の中にはファッションを優先するあまり、気温が低くてもミニスカートに素足といった格好をすることも多く、体の外側が冷えやすい状態にあることも冷え症を誘発する要因と言えるでしょう。
末端冷え性の症状は?男性にも起こりうるのか?
末端冷え症の主な症状は、手(指先)や足先(足の指先)が冷たくなるというものです。
外気温が低い冬に限らず、夏の暑い時期でもあっても手足が冷たいため、ぐっすり寝ることができなくなり、不眠症やうつ病などを引き起こす原因になることもります。
また、これまで冷え症は女性に多いとされ、男性が冷え症に悩むことは稀と言われていましたが、近年は男性にも急増しており、20代では4人に1人の割合で男性も冷え症(特に足先)に悩んでいるそうです。
末端冷え性の5つの改善方法や対策!
手足の冷えが強い症状として現れる末端冷え症ですが、単に手や足を温めれば改善するわけではありません。
原因は血流の悪さにあることから、根本から変えていく必要があります。
では、末端冷え症を改善するにはどのような方法があるのでしょうか。
1.運動をする
運動といっても、ハードなものをする必要はありません。
運動が苦手という方なら、ウォーキングでもよいでしょう。
ウォーキングは有酸素運動のため、たくさんの酸素を体内に取り入れることができ、酸素を多く含んだ血液が循環することで末端まで必要な量を運ぶことができます。
また、週3~4回でも持続して続けることで、ふくらはぎの筋肉量が増えて血流がよくなり、冷え症を改善することができます。
2.手の指や足の指をこまめに動かす
手や足先の皮膚表面が冷えると、交感神経が働き、体の中心部分の温度を下げないようにと、血流を悪くします。
そのため、さらに冷え症が悪化するという悪循環に陥ってしまうのですが、手足をこまめに動かすことで皮膚表面の温度を上げると、交感神経の優位が解除され血流が促進されます。
3.湯船に浸かる
忙しいからとついシャワーで済ませてしまう方も多いですが、お風呂に入る時は湯船にしっかりと浸かるようにしましょう。
湯船に浸かることで体の芯から温まるだけではなく、自律神経の乱れが改善され、リラックスを促す副交感神経の作用によって血流もよくなります。
4.お腹を温める
末端冷え症の方は、つい手足ばかりを温めてしまいがちですが、それよりも効果的だと言われているのがお腹です。
お腹には胃腸を始めとした重要な臓器が集まっているため、お腹が冷えていると体はそこを重点的に温めようと血液を集中させます。
手足が冷たい時、お腹を触ってみて冷たかったら、まずはお腹を温めてみましょう。
お腹がしっかりと温まることで、血液が全身に流れるようになり手足も温まってきます。
5.冷たいものを摂らない
特に、夏場の暑い時期にはつい冷たい飲み物をごくごくと飲んでしまいがちですが、冷たい飲み物は体を冷やしてしまいます。
飲み物は常温か温かいものを意識して摂るようにしましょう。
末端冷え性に効くツボ
●井穴(いけつ)
指の爪の生え際にあるツボ。逆の親指と人差し指でつまむようにして、ぐりぐりと指を回す感じで少し強めに押し揉んで下さい。
小指から順に薬指、中指、人差し指、親指と5本の指を行うようにしましょう。
●築賓(ちくひん)
ふくらはぎの脛部分の中間にあるツボ。ふくらはぎを掴むようにして、両手の親指をツボにあてたら、足の中に向かって5秒ほど強めに押します。
●胞肓(ほうこう)
おしりのくぼみの内側にあるツボ。左右を同時に親指で5秒押し、離すのを繰り返します。下半身の血行を促進して冷えを改善します。
●三陰交(さんいんこう)
足のくるぶしの内側から指3本分上にあるツボ。親指をツボにあてたら、他の指で足首の上のあたりを掴んで、しっかりと押しましょう。
末端冷え性に効果のある漢方は?
冷え症がつらくて病院へ行っても、検査の結果に異常がなければ、特にこれといった治療が行われないこともありますが、漢方を主体とした東洋医学では、冷えは万病の元という考えがあるため、それに根付いた様々な漢方薬が処方されています。
中でも、手足の冷えが気になるという方にお勧めなのが「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」です。
血行不良による冷えを解消する成分が配合されており、体の内側から温めます。
そのため、のぼせや体に熱のこもりやすい方には不向きとされています。
漢方を処方してもらいたい時、病院は何科に行けばいいの?
冷え症に悩んでいて、あれこれ手を尽くしてみたけれど思うように改善しないため、漢方薬を処方してもらおうと病院へ行くという方もいらっしゃると思いますが、その際何科を受診したらよいのか困りますよね。
最近は、漢方外来を併設している病院も増えていることから、近くにそのような病院があればそこを訪ねてみるのがよいでしょう。
近くに漢方外来がなければ、冷え以外の症状があればその症状に合う科を選びます。
例えば、胃腸の不調が続いていれば内科や消化器科、生理痛がひどい場合は婦人科、といった具合です。
もし、冷え以外に何も症状がないのであれば、内科でよいでしょう。
末端冷え性を改善する食べ物は?
末端冷え症は、毎日の食事に気を配ることでも症状を軽減することができます。
ここでは、末端冷え症の改善に有効な食品をご紹介しましょう。
・納豆
・アジ
・サンマ
・鮭
・エビ
・ナマコ
・カツオ
・鶏肉
・羊肉
・玄米
・ライ麦
・もち米
・ねぎ
・にんじん
・ピーマン
・にら
・切り干し大根
・ごぼう
・しそ
・生姜
・かぼちゃ
・しそ
・らっきょう
・にんにく
・たまねぎ
・桃
・あんず
・さくらんぼ
・栗
・くるみ
・大豆
・小豆
・ハーブティー
・紅茶
・シナモン
・酢
・山椒
・とうがらし など
逆に食べてはいけないものは?
冷たい飲み物が体を冷やし、末端冷え症を悪化させてしまう恐れがあることは、比較的知られていると思いますが、何気なく食べているものの中にも、体を冷やしてしまうものが存在します。
ここでは、その一部をご紹介したいと思います。
・そば
・こんにゃく
・豆腐
・蟹
・牡蠣
・アサリ
・シジミ
・海苔
・ひじき
・昆布
・馬肉
・鴨肉
・牛乳
・トマト
・なす
・きゅうり
・レタス
・セロリ
・白菜
・れんこん
・枝豆
・スイカ
・梨
・柿
・バナナ
・メロン
・いちご
・緑茶
・コーヒー
・ビール
末端冷え性を解消する運動
1.床に仰向けに寝て下さい。
2.両足を伸ばし、足首をかかとを支点にして外側に回します。足首を動かすことで、同時に股関節や骨盤が動いているのを意識しましょう。
3.反対側も同様に行いましょう。
4.次に、爪先を手前に引いたり、前に伸ばしたりを繰り返します。5回を目安に行って下さい。
5.さらに、4の動きを今度は左右交互に行います。
※動画ではストレッチポールの上に寝て行っていますが、ストレットポールがなくても足先を温める効果が期待できます。
末端冷え性にならないための予防法は?
末端冷え症になると、手足がしびれるように冷たくなるだけはなく、血液の流れが悪くなることから便秘やむくみの原因となるなど、いいことは一つもありません。
また、今は特に手足が冷えるということがなくても、加齢によって代謝がどんどんと下がってしまうと、いつ自分が末端冷え症で悩むことになるかわからないため、早めに予防や対策をしておくことがとても大切です。
では、末端冷え症にならないための予防法には、どのようなものがあるのでしょうか。
1.寝る前にはストレッチを行う
ストレッチによって筋肉のコリが解れると、副交感神経が優位になりリラックスして眠りにつくことができます。
また、血液の流れがよくなるため、体が冷えにくくなります。
2.下着や靴下などで体を締め付けないようにする
体のラインを綺麗に見せたいからと、きつめの下着を身につけていると、そこの部分の血流が悪くなって体が冷えやすくなってしまいます。
また、気温の低い冬場は、足先を冷やしたくないからといって靴下を何足も重ねて履く方がいますが、ゴムの部分が足首を絞めつけてしまうため、こちらも血流が悪くなって冷え症の原因となってしまいます。
3.無理なダイエットは行わない
極端な食事制限は、体が本来必要としているビタミンやミネラルといった栄養が不足するため、血液の量が減る、血流が悪くなるなどの症状を引き起こします。
また、強いストレスにさらされることで、自律神経が乱れ、体温の調節が上手くいかなくなることも、冷えを招く原因となってしまいます。
4.薄着をしない
肌を露出した服装や、気温が低いにも関わらず着るものを調整せずに、オシャレを優先させるような格好は、皮膚表面の温度を下げ、やがて体温も低下させてしまいます。
体温が低くなると、血管が収縮し血流が悪くなって、さらに冷えを誘発するため、気温に応じた服装をするように心掛けましょう。
末端冷え性の原因と改善方法!漢方やツボは効果的か?のまとめ
冷えは万病の元と言われる通り、放っておくと肩こりや頭痛、下痢などの腹痛、肌荒れ、生理不順、不眠症、イライラしたり気分が落ち込む、と言った様々な症状を引き起こします。
そのため、体が冷えているなと感じたら、すぐに対処をしてそれ以上冷やさないようにするのが大切です。
また、日頃から冷えに対する予防を行い、体が冷えないようにすることも必要です。
たかが冷え、と思われがちですが、近年は冷え症の方に多い低体温は、免疫力を下げガンなどの病気にもかかりやすくなると言われていることから、体温を上げる努力をしてみましょう。