ポリフェノールの効果・効能は、抗酸化作用と抗菌殺菌作用!
「ポリフェノール」、耳にすること目にすること多い成分だと思います。
では、実際の効果は?効能は?どうしていいの?
体にどんな効果をもたらすの?発揮するの?
このようなことをまとめています。
実際にポリフェノールに含まれる、成分。
そして何を摂取したらいいの?
説明は長くなりますが、最後までお読み頂ければ解決できますよ。
目次
ポリフェノールとは?
「ポリフェノール」、植物の苦味、渋み、色素の成分となっている化合物の総称。
自然界には5000種類以上存在しています。
様々な種類があり、働き、効果は異なってきますが、どのポリフェノールにも共通している働きがあり、それは「抗菌・抗酸化作用効果」です。
活性酸素っていったい何?
活性酸素ってなに?いいこと?悪いこと?
ヒトは呼吸をして、空気中の酸素を取り入れていますよね?
酸素はヒトの体に欠かせない大事な要素です。
しかしこの酸素、ちょっとしたキッカケで「活性酸素」というものに変身します。
変身した「活性酸素」、この正体は体内にさまざまな老化現象を引き起こす犯人ではないかと考えられている悪いヤツです。
非常に攻撃的で毒性の強い、「体内公害」です。
【活性酸素の発生源】
ちょっとしたキッカケって?
活性酸素に変身したくてしたくてたまらない活性酸素。
活性酸素にとって、変身源になってくれるきっかけはこのような行動です。
- たばこ
- 紫外線
- 激しいスポーツ
- 電磁波
- 医薬品
- ストレス
- 排気ガス
- 加工食品
- 殺虫剤
- レントゲン
こうような様々なきっかけを持っています。
もちろん体内には活性酸素を追い出す働きを持つ成分もあります。
活性酸素が増殖し過ぎると、大量の活性酸素をカバーしきれません。
活性酸素の増殖を抑制してくれるもの?
酵素、たんぱく質、ビタミンなど様々な成分があります。
活性酸素のきっかけを全て生活から排除するというのは難しいでしょう。
酵素、たんぱく質、ビタミンを備えておくことも予防の一つです。
ポリフェノールの抗酸化・抗菌作用について
ポリフェノールは様々な種類があり、働き、効果は異なります。
しかしポリフェノールにも共通している働きがあり、それは「抗菌・抗酸化作用効果」。
はじめに説明をしましたが、抗菌作用・抗酸化作用って?
【抗菌作用】
殺菌作用には、睡眠不足やストレスからくるニキビ・肌荒れも抑える効果があります。
【抗酸化作用】
抗酸化作用には、活性酸素の働きを抑え細胞の老化防止効果。そしてシミ・シワ・たるみからお肌を守ります。細胞が元気に活動する事で、皮脂のバランスも良くなり乾燥肌の防止効果も持ちます。
ポリフェノールの効果と主な働き
ポリフェノール摂取から、様々な効果を得られます、期待できます。
【がん予防(消化器系)の効果】
カカオには、リグニンというポリフェノールの一種、食物繊維が含まれています。大腸がんの発がん原因の一つ「便秘」。食物繊維が含まれているということは、便秘予防、解消にも繋がります。このことは、消化機能が低下した患者さんの消化器官にチョコレートを入れることで回復が早まったという実証があるのです。もちろんがん発症の原因と言われる「ピロリ菌」。カカオの持つ抗菌作用がピロリ菌の働きを抑制してくれます。
【血中のコレステロールを抑制する効果(高血圧の予防)】
血糖値を下げる効果を持つ、「カテキン」。お茶などに多く含まれるカテキンもポリフェノールの一種です。カテキンには唾液や、すい液に含まれる消化酵素のアミラーゼの働きを抑える効果があります。ブドウ糖が血液に取り込まれるのに時間がかかることにより、食後の血糖値が急激に上昇するのを防ぎますぐ効果を期待できるのです。紅茶を飲むことで、血圧上昇が抑える可能性に期待できるというわけです。
【抗酸化作用(細胞の老化を防ぐ)】
活性酸素の働きを抑え細胞の老化防止効果。そしてシミ・シワ・たるみからお肌を守ります。細胞が元気に活動する事で、皮脂のバランスも良くなり乾燥肌の防止効果も持ちます。
【殺菌効果】
睡眠不足やストレスからくるニキビ・肌荒れも抑える効果があります。
【中性脂肪低下効果】
紅茶の成分について、放送大学講師 学術博士(食物学)、佐藤秀美の研究結果を紹介します。
◎ 紅茶ポリフェノ-ル(テアフラビン)による内臓脂肪予防改善効果について
- 人はストレスを感じると副腎皮質ホルモン(コルチゾ-ル)を分泌する。これが長く続くと脂肪がどんどん蓄積されていく。ところが、紅茶のテアフラビンはコルチゾ-ルの分泌を抑える。英での研究では1日4杯飲むとコルチゾールの血中濃度が飲まない人に比べ 20%低いことが判った。
- 糖や脂肪は分解酵素によって分解され、吸収される。ここで、テアフラビンがあると、この分解酵素の働きをストップする。糖や脂肪が吸収されずに排泄される。便も増える。
- さらに即効性を高めるには、リンゴと一緒に摂ると良い。テアフラビンは肝臓での脂肪の蓄積を抑えるが、リンゴのポリフェノ-ルは中性脂肪の蓄積を抑える。
【糖尿病の改善効果】
紅茶に含まれる成分、「ポリサッカロイド」。ポリフェノールの一種、ポリサッカロイドが糖尿病予防に効果を発揮。このポリサッカロイドは6個以上の糖の分子が結合した水溶性の多糖体。胃や小腸で糖分の消化吸収を妨げる働きを持っていて、血糖値を下げることが分かってきました。血糖値を下げることは、糖尿病予防に繋がります。
【認知症の軽減】
ポリフェノールといえば、ワイン?ワインの中に多く含まれる「ミネラル」。ほかにマグネシウム、カリウムが多く含まれています。マグネシウムの効果には脳細胞の活性化があります。つまりアルツハイマー予防効果に期待されます。アルツハイマーの原因に、体内にアルミニウムが入ることと言われていますが、マグネシウムとカルシウムが体内にあると、アルミニウムが入らないと言われていますので効果に納得できます。
【疲労回復】
疲労回復にはりんごに含まれる「抗酸化力の高いポリフェノール」に期待。長年の研究で、りんごポリフェノールから寿命が延長することを見出しています。さらに、りんごポリフェノールの摂取によって、疲労軽減効果を、ヒトの試験で確認、実証済なのです。
なぜポリフェノールが注目されているのか?
ここまでの説明でポリフェノールの摂取を考えている人が増えてくれていたら嬉しいです。
ガン予防、認知症予防、糖尿病改善効果、高血圧予防など様々な効果はありますが、でも、その効果を期待できるのはポリフェノールに限らないのが事実。
他にも、様々な成分から体に良い効果は得られます。
それでもポリフェノールが注目される理由には、やはり共通している働き「強力な抗酸化作用」効果ではないでしょうか?
毎日の生活で、活性酸素の原因になる紫外線は浴びます。
活性酸素は老化の原因にも繋がります。
動脈硬化、脳梗塞などの、病気を引き起こすもとにもなっています。
活性酸素の原因を見ていると、防ぎようのないキッカケも多くありますよね?
ポリフェノールの持つ強力な抗酸化作用により、活性酸素のはたらきが抑制されるのです。
そこに大きく期待がかかるのです。
【抗酸化作用効果】
- 美容
- アンチエイジング効果
女性に欠かせない大切な成分です。
ポリフェノールの種類と特徴やそれらの効果は?
ポリフェノールの成分についてまとめます。
【アントシアニン】
代表的な効能は、疲れ目の予防や視力の改善効果をもつアントシアニン。アントシアニンの機能に、目の網膜にある視覚情報を脳に伝える重要な役割りをしている「ロドプシン」の再合成を促進させる働きがあるからだと考えられています。
【イソフラボン】
効能としては、更年期障害の諸症状の緩和作用や骨粗鬆症の予防。イソフラボンには他にもガン細胞の増殖を抑制する作用。特に乳ガンや前立腺ガンに対して予防効果がみられるとされています。
イソフラボンの効果のまとめ!女性や男性にどんな効果があるの?
【エラグ酸】
イチゴ・ラズベリー・ザクロ・やナッツ類などに豊富に含まれるポリフェノールです。抗酸化作用はもちろん、エグノ酸にはメラニン色素の生成を抑制する作用があります。メラニン色素の生成を抑制には肌のシミやソバカスの発生を抑えて美白効果に期待できます。エラグ酸は、化粧品の美容成分として配合されていることが多いようです。
【海藻ポリフェノール】
海藻類に含まれる、海藻ポリフェノール。有害物質の排泄促進効果に期待。
【カカオポリフェノール】
カカオ(チョコレート)に含まれます。代表的な効能は抗酸化作用です。
カカオポリフェノールの効果・効能!含有量はどれぐらいあるの?
【カテキン】
カテキンには、継続的に摂取することで体脂肪を減少させる効能があると考えられます。肝臓内で脂肪の燃焼効率を向上させる作用があるとされていますから、血中コレステロールを低下させる効果。動脈硬化など生活習慣病の予防効果が期待できます。また、カテキンには抗菌作用・抗ウイルス作用があります。虫歯予防やインフルエンザ予防などにも効果的であると言われています。
【クルクミン】
ウコン・ショウガに多く含まれるクルクミン。解毒作用、胆汁分泌促進、抗酸化作用効果があります。
【クロロゲン酸】
コーヒー豆やゴボウに含まれるポリフェノール。効能としては、肥満予防、改善が挙げられています。クロロゲン酸には肝臓で脂肪の燃焼を促進する作用があります。これが脂肪の蓄積を予防すると考えられています。
【ケルセチン】
たまねぎの皮、レタス、ブロッコリーなどに含まれるケルセチン。抗アレルギー作用、抗炎症作用に期待。
【タンニン】
麦茶、ワイン、ほうじ茶、コーヒー、紅茶に含まれます。血中コレステロールの抑制効果があります。
【ナリンゲニンカルコン】
ナリンゲニンカルコン、これはトマト特有のポリフェノール。効能には抗アレルギー作用と言われます。
【フラボノール】
ほうれん草、リンゴに多く含まれるフラボノール。抗酸化作用、動脈硬化、心臓病の予防に期待できます。
【プロシアニジン】
リンゴ・ブドウ・緑茶に含まれています。高抗酸化作用に期待できます。
【ルチン】
ルチンはそばから摂取出来ます。血管強化、血圧降下、アレルギーの改善など効果が期待できます。
【ロズマリン酸】
シソの葉・ローズマリー・レモンバームなどシソ科の植物に多く含まれているポリフェノール。注目されている効能は、過剰に反応してしまう免疫機能を正常にする作用があること。さまざまなアレルギー性疾患に有効な働きかけをすると考えられています。
ポリフェノールが不足するとどうなるの?
では、ポリフェノールが欠乏すると、どのような症状が出るのでしょうか?
●病気にかかりやすくなる
体内で発生する活性酸素が除去できなくなるため、様々な病気にかかりやすくなります。
●アレルギー症状が出やすくなる
ポリフェノールの持つ抗アレルギー作用。欠乏するとアレルギーの原因であるヒスタミンを抑えることができなくなってしまい、アレルギー症状が出やすくなります。
ポリフェノールの1日の摂取量はどれくらいがいいの?
ポリフェノールの1日の摂取量、日本人は特にポリフェノールが不足と言われます。
1日の摂取目安量は、1500mg。
現在の日本人の平均摂取量は、1010mg。
摂取量が足りていないことに気付き、心掛けることから始めましょう。
ポリフェノールの効果は、何時間ぐらい持続するの?
ポリフェノールは水溶性です。
つまり摂取してから体内の蓄積が出来ません。
摂取してから体内で効果を発揮し、存在している時間は3~4時間。
1日3食の食事にバランスよく摂取することが良いでしょう。
ポリフェノールを含む食品はどういうのがあるの?
では、どの食品から摂取したらいいのでしょう?
成分の説明で食品名は出てきていますが、分かりやすくまとめますね。
【野菜】
- 春菊
- れんこん
- ししとう
- さつまいも
- ブロッコリー
- ごぼう
- なす
【果物】
- バナナ
- マンゴー
- ブルーベリー
- ぶどう
- りんご
- いちご
- キウイ
- グアバ
- クランベリー
- サクランボ
【加工品】
- 赤ワイン
- 納豆
- ミルクチョコレート
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
さまざまな食品からポリフェノールは摂取できます。
あなたの好きな食品から摂取することから始めるといいですね。
ポリフェノールには副作用があるの?
最後に、気になる「副作用」。
ポリフェノールの過剰摂取から副作用が起こる、という心配はいらないようです。
ですが、様々な食品に含まれるポリフェノール。
種類によっては摂取から、アレルギー反応が出る方もいるかと思います。
そして種類によっては、ポリフェノール過剰摂取という副作用ではなく、その食品自体の過剰摂取が異変を起こしたりすることもありますので、十分注意が必要です。
ポリフェノールのまとめ
ポリフェノールは正しく摂取することで、健康な体に繋がります。
様々な効果を実感できるでしょう。
1日の適度な摂取で、今の生活からさらに楽しい生活に変えてみませんか?
とても長い時間、お付き合い有難うございました。
リファレンス
- 放送大学講師 学術博士(食物学)、佐藤秀美 、「紅 茶」、2006,4 (著)
- 「抗酸化サプリメント」の正しい選び方―「カロテノイド+ポリフェノール+水素」で10歳若返る!,細山 浩 (著)
- 赤ワインのすごい薬効―赤ワインの特効成分ポリフェノールが動脈硬化を防ぎ健康長寿を約束!,田中 清高 (著)
- 植物のくれた宝物―ポリフェノールのふしぎな力,梅田 達也 (著)
- ポリフェノールとは?,P.35~37,吉田隆志 (著)
- 緑茶ポリフェノールの作用,P.45~51,大久保勉 (著)
- 紅茶ポリフェノールの機能性,P.52~55,南条文雄 (著)
- コーヒー中のポリフェノールの作用,P.65~67,西澤千恵子 (著)
- チョコレート・ココアに含まれるポリフェノール類の機能性,P.68~71,越坂部奈緒美 (著)
- ビール中のポリフェノールの作用,P.83~85,佐久間修三 (著)
- ウーロン茶・甜茶・ウイスキー中のポリフェノールとその関連成分,P.56~58,幹渉 (著)
- レモン・ライム中のポリフェノールの作用,p.72~74,三宅義明 (著)
- カンキツ果汁に特異的なフラボノイド,P.75~77,村上明・大東肇 (著)
- ワイン・ポリフェノールの生理的機能,P.78~82,佐藤充克 (著)
- 植物ポリフェノールの機能性と安全性,P.5~7,石見佳子 (著)
- 植物フラボノイドの最新機能研究,P.8~10,下位香代子・木苗直秀 (著)
- Yang J, Li Y, Wang F, Wu C. (2010) “Hepatoprotective effects of apple polyphenols on CCl4-induced acute liver damage in mice.” J Agric Food Chem. 2010 May 26;58(10):6525-31.
- Zuercher AW, Holvoet S, Weiss M, Mercenier A. (2010) “Polyphenol-enriched apple extract attenuates food allergy in mice.” Clin Exp Allergy. 2010 Jun;40(6):942-50. Epub 2010 Feb 17.
- Osada K, Suzuki T, Kawakami Y, Senda M, Kasai A, Sami M, Ohta Y, Kanda T, Ikeda M. (2006) “Dose-dependent hypocholesterolemic actions of dietary apple polyphenol in rats fed cholesterol.” Lipids. 2006 Feb;41(2):133-9.
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